花の画像をいっぱい公開しているのにいまさら何を言っているんだ?と思われたかもしれません。
生産者さんのところではすでに開花しているのですが、開花し始めたのは私の種播き分です(笑)。それらがようやく開花始めました。
今年は種播きをセル播きに変え、また用土も一新。初めてづくしの育苗。
大体、用土を変えると失敗すると言われていますが、失敗までは行かないもののいつもとは違う成長ぶりです。
何せその用土の特性が分からないもので、最初はどうしてもそうなってしまいますよね。
育苗の様子。
葉色もいいし、病気も出ていないのに何故か太りが前の用土よりも少ない。
成長は緩慢ですがそれ以外は悪いところはないようなのでこれから太ってくるのかもしれません。液肥をやりながら様子を見たいと思います。
さてさて、咲き始めた花をご紹介!
キャットニップ・パープル
皆さんご注目!!これが「バニー型」の一番最初の姿ですよ!
この花型が認知されたことによって現在の「ラビット型」があるんです。全てはここから始まったんです!
でも、今見るとあか抜けないですね。逆に言えばそれだけ花のデザイン(造形)が進んだと言うことでしょう。
1年草は樹木や球根などと違ってその交配親と子供、孫を一緒に見れる事はほとんどありません。
こうして維持することで進化がどのように行われたかがよく分かるでしょう。今となっては販売できる品種ではありませんが、その貴重さゆえ維持できる限りは維持していきたいと思います。
なお、キャットニップからバニーへの顛末は「平成三色すみれ考」のPart1(山野草マニアックス28号)に書いています。興味があおりの方は読んでみてください。
松永ののはなピンクアーリン
プリムラ育種の第一人者松永一先生の系統を私が維持選抜をしているものです。
松永先生の品種は現在ほとんどなく私が維持保存しているものしかありません。極側小輪が特徴。
ピンクイエローフェイスの極々小輪、這い性の貴重な品種です。
コーソンhyそばかす
何度かご紹介したコーソン系のそばかすです。長野県の生産者のIさんが親株で送ってくれましたが、この「そばかす(吹きかけ絞り)」の遺伝性を調べたくて自分でも播いています。
この手の絞りはこれまで出現していなかったし、遺伝性も弱いものだと思っていましたが、どうもこの系統はそうでもなさそうです。
結構出ていますので、これは他の花色にも広げられそうです。新しい方向性が見えてきました。
コーソンhy細弁フリル
フリルとなっていますが、今のところフリルは出ていません。これからに期待しましょう。
花色、花型から見るとどうもそばかすと元は一緒の交配系統ですね。別の進化が始まりました。
甘香
平成三色すみれ考のPart4でもご紹介している宿根ビオラを使った後代です。
その名のとおり、甘い香りを有する系統を目指して選抜している訳ですけれど、最初のこの株は香りがありませんでした(涙)。
目に見えないものですので、香りの育種は難しいです。後数株ありますのでそれに期待。
香りがでなければこの系統はここで終了です。再びやる場合はこの原初の種がありますのでそこからの再スタートとなります。
そこまでやって追及する形質か・・・、判断する時期が来るかもしれません。
播種時期を見ると9月7~11日。約3カ月での開花ですね。
交配分はもっと後ですので花も早いものでも来月になるでしょう。新しい出会いがありますように!そう祈りながら圃場に通っています。