梅雨入りして雨ばかりの宮崎です。なんとか、雨前に洗濯ネット採種で切り取ったものの、その後が乾かなくて困っています。
こればかりは天候次第でどうしようもありません。カビが生えないのを祈るばかりです。
種子配布も申し込みはひとまず終了。大体昨年と同じくらいの申し込みです。早めに送ろうとは思っていますが、これも天候と原稿の進行次第。しばらくお待ちくださいね。
さて、今年も各社夏秋のカタログが送られてきました。
今年もパンジー・ビオラの品種が目白押しです。当然ながら個人育種家の品種も掲載されています。
国華園さんとサカタのタネさん。
タキイ種苗さんからもあったのですが、どこにしまったのか今ちょっと見当たりません。
タキイさんでは私の品種は‘ののはなイエロー’と‘ののはなブルー’が掲載。
‘ののはなブルー’は昨年、‘ハッピーティア’と入れ替わったものが流通していました。既にこの品種は私の手元を離れているので、今回はそうでないことを祈るばかりです。
あと、コウロギさんの品種(蝶々系、アゲハ系、ラブソングズ)も昨年に続いて掲載されていますよ。人気です!!
さて、サカタのタネさんはこちらの方々の品種が掲載。
華やかな見元ワールドが展開しています。笈川ワールドも!見元さんとはまた違った華やかな世界。
江原さんの系統も。落合さんの系統も。
こうして見ると、人によって花の世界が違うってことがよくわかります。
フェアリーチュールも本格的に販売。やっぱり八重咲きは見事ですよ。
余談になりますが、サントリーさんからも今年八重咲きのビオラが販売になりますよ。
さて、国華園さんでは興味深いものが・・・。
‘エンビー’。
かつて、「緑色のパンジー」として販売されていた品種です。最近のグリーニッシュ人気でしょうか?久々の登場です。
もうご存知でしょうが、すべてが写真のような色ではありません。ブラウンシェードの中にこの色が混じっています。また、昔の品種ですので春咲き性が強く、現在の品種のように秋からずっとは咲き続けません。
‘ロココ’ミックス
発売は初めてなのでしょう、「New」のマークがついていますが、前からある品種です。、‘キャンティ’、‘フラメンコ’の1代前ぐらいのフリルの品種で、ウェーブからラッフルぐらいの緩やかなフリルです。
‘ジョニージャンプアップ’
「ヘレンマウント」の名前でよく知られた品種です。懐かしいですね~。最近はとんと流通しなくなりましたが、丈夫でこぼれ種でよく生える品種ですよ。
‘ファイアントリカラー’
原種のビオラ・トリカラーのハーブとしての栽培系統です。私のトリカラーはこの系統の選抜です。
で、注目株はこちら!
はい、もう花を見れば明らかですね。‘マイビオラ’です。
ついにマイビオラの系統が種子での販売になりました!!
この花形は遺伝性がありますので、交配親として使うととても面白いですよ。
さてさて、喜んでいるばかりはいられません。がっかりすることもありました。
国華園さんのチラシの苗で販売のこの品種。
「パレットビオラ」とはなっていますが、見る人が見ればすぐにわかりますね。そう、‘ハッピーティア’、‘春はじめ’、‘スモーレストコーソン’などの極々小輪系です。
この株の形状、この花形、花色。どう見ても‘ハッピーティア’です。
絞りの入っている花は‘春はじめ’、ピンクイエローフェイスの細長弁は‘松永ののはなピンクアーリン’か‘愛姫’、下の薄いブルーは‘スモーレストコーソン’ですね。
私の知らないところでこんなことになっていました。がっかりです。
多くの方に種を配布して、自家採種を奨めてきました。でも、それはその場所でその人なりに進化させて欲しいため。まずは種を播かないと始まりませんから。
特に生産者の方にとってはオリジナルという強みになるのは間違いないことですし、やろうと思えば出来ることなので薦めてきた訳です。
でも、これは進化していません。全く私のオリジナルそのもの。ただ名前を変えているだけ。その志の低さにぐあっかりです。
AKBの篠田麻里子さんは総選挙の時にこう言いましたよね。「私を超えていけ」って。
私も同じ気持ちです。これだけの元があればここから新しいものを作り出すのは簡単なことです。なぜそれをやらない。
やるかやらないかで「パクリ」か、「育種」かと評価は二分されるんです。この生産者はどちらを希望するのでしょうか?
志を高く持ってください!私を超えていけです。