暑中お見舞い申し上げます!
暦の上では立秋も過ぎましたが、暑さの本番はこれから。早い方はもうすでにパンジー・ビオラの種まきをされたようです。
この暑さでは園芸もお休みせざる得ません。それでも園芸好きの方は園芸店に足を運びますが、結局ほしいものがなくて帰ってくるという状況でしょう。
6月も半ばを過ぎると、極端に花の種類も減ってきます。生産者さんも作るものがないと言い、園芸店さんも売るものがないと言い、ユーザーさんもほしいものがないと言う・・・。
だったらもう作るしかありません(笑)。
それで、これ行けるんじゃないのと目を付けたのがアサガオでした。誰もが学校の教材で育てたことがあり、夏の暑さにも平気、そして遺伝子の宝庫です!
そして、その商品づくりに協力をしていただいているのが岡山県のKim農園さん。果敢に挑戦してくださる姿には感謝しかありません。
パンジー・ビオラでは有名で、苗づくりは定評があります。
今回、そのKim農園が親株として送ってくださった苗を店に置いていたところ、興味を示されるお客さんが多数。これが7月初め頃であれば、より多くのお客さんが興味を示されるのではないかと感じた次第です。
その育成中の系統をご紹介します!
みなも藤
青水晶斑並小葉淡藤。花も葉も小型になる「姫性」の品種です。花色と葉色がとても涼し気です。
生産する側からすると株のまとまりがとても良いとのこと。
流通している姫性の品種は今のところローズ色しかありませんので、そのバリエーションを広げることでこのジャンルが充実してくると思います。
黄弱渦葉藤紫絞り
変化アサガオの「黄柳葉藤紫絞り采咲」の親木としてよく知られています。
出物でなくてもそれ自体が美しく、株のまとまりも良いものです。ただ、これだけだと能がない(笑)。もう少しアレンジを加えていきます。
(矢車×モーブブリザード)交配後代
青蝉葉ピンク多曜白かすかに吹雪。こんな派手な感じのアサガオもいいのでは?後は株のまとまりだと思います。
〔(紅しだれ×暁の露)×ペールブルースカイ〕交配後代
やはりペールブルースカイの色合いは独特で、これを活用したい。と、言うよりもこれを活用すべき!
間違いなく、これからのアサガオの花色の大きなベースです。
ハレの空
その理由の一つがこれ!こちらもペールブルースカイの血が影響しています。これまでにない色。きっとこれからの色!
ただ、この品種を使うと茎が伸びやすいのでそれをコンパクトにまとめていく交配、選抜が必要ですね。
(チョコレートシルク×団十郎)交配後代
黄鍬形葉明茶。団十郎を団十郎と同じ色で使ってみました。海外品種を使うことによって、色合いが洋風になりました!(笑)
アールグレイ(仮名)
(団十郎×ペールブルースカイ)交配後代。黄鍬形葉極薄茶筒口薄茶。
こんな色合い今までにありません。咲いたのを見てびっくりでした!女性好みの色合いだと思います。
またまたペールブルースカイです。それに
一番有名なアサガオの団十郎の組み合わせ。この結果を見ると団十郎も優秀な親でもあるようです。
そして、アサガオは葉の形も見逃すことはできません。
それを生かした選抜、交配も進めています。それが「ラッフルリーフ(林風葉)」です!
ラッフルリーフ・ホワイト
ラッフルリーフ・ブルーピコティ
ラッフルリーフ・ブルーストライプ
動きのある葉、先人たちはよくこの形質を見つけられたと思います。
他にも色や模様を増やしていく予定です。「ラッフルリーフ」注目ですよ!
そして、キキョウ咲きも出ています。
桔梗星・ラベンダーピンク
ハレの空から出たものです。これまた、ペールブルースカイはキキョウ咲きの遺伝子を持っているようで、その交配種はこのようにキキョウ咲きが分離する場合があります。
リリーマドンナ(仮名)
(暁の雪×ペールブルースカイ)の交配後代です。これも丸咲き(選抜株)から分離したもの。これらの結果を見ればペールブルースカイを使うべきと言っていることがお分かりでしょう?(笑)
白に筒紅のキキョウ咲き。多分、今ある中で一番綺麗キキョウ咲きです。
新しい色に新しい形。令和のアサガオはきっとこんな感じに広がっていくのだと思います。
令和は文化文政に続くアサガオブームになるかもしれませんよ(笑)。