晴天、朝夕は肌寒くなってきました。
パンジー・ビオラの出荷もあちこちで本格的になってきたようで、なりより。この時期はやっぱりこうでなくっちゃいけません!(笑)
さて、相変わらずしつこくやっているリコリスのオーレアとトラウビの違い。
このことは「山野草マニアックスNO.36」でも書いたのですが、ブログでも再度取り上げます。ほんとしつこいですねえ(笑)。
花が咲くとどうしてもそこに目が行ってしまいがち。ですが、いっそ花のない方がわかり易いかも・・・です。
オーレア・オレーア(不稔性)
栗田子郎先生の本の中でオーレアの基本変種とされている種です。つまりこれがリコリスのオーレアとされているもの。オーレアと言ったらこれが本種なんです!
違いの判別は花柄に注目!短く三角っぽい形をしています。
不稔性(希に実る)ですので、子房が膨らまずこの状態になっていればこの種でほぼ違いありません。
オーレア・オレーア(インド産オーレア・稔性有り)
生産地「インド」として販売されているものです。形態は同じですがこちらは稔性があります。子房が膨らんでいるものが多ければ多分こちら。
とにかく形態が同じですので、稔性、不稔性かは見た目ではわかりにくりです。
まずは購入時の生産地の確認が重要ですね。
オーレア・ラティフォリア(中国産オーレア)
オーレアの変種とされている種です。こちらは中国産。
花柄に注目すれば、基本種との違いは歴然!花柄が明らかに長いです。
そして、蒴果の形は丸みを帯びています。
ラティフォリアには緑軸のものと赤軸(花茎、葉裏が赤みを帯びる)があります。
トラウビ(ショウキズイセン)
日本産の黄色のリコリスです。
注目は蒴果の形。縦長でゴツゴツ(凹凸)しています。オーレア、ラティフォリアと比べると違いは歴然ですね!
ところが・・・、
久米島産トラウビ
トラウビは鹿児島以南に自生しているのですが、おなじトラウビでも沖縄の久米島産の個体はこのゴツゴツがありません。
う~む、悩みます。まだ研究されていない分野なので、これは継続した観察が必要です。
で、これらの遺伝性はどうなのか?蒴果の面でも徐々にわかってきています。
大虎
これはオーレア・オレーア(不稔性)×トラウビの交配。
蒴果はつるんとしていなくて若干のゴツゴツ、デコボコがあります。この組み合の個体は5~6あるのですが、このゴツゴツがはっきりと出ていないものもあります。
十の字
これはラティフォリア×トラウビの交配。
花柄は長く蒴果はゴツゴツです。
こう見てみるとトラウビの蒴果の形は伝わりやすいようです。
まとめると
花柄の長さ 長い×短い ⇒ 長い傾向
蒴果の形 丸み×ゴツゴツ ⇒ゴツゴツする傾向
になりそうです。
これがわかってくると交配不明でも親を探ることができます。
さてさてお庭の黄色いリコリス。花茎をまだ切り取って処分していないようであれば確認の適期ですよ!観察してみてください!!