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植田光宣さんの‘サンフラッシュ’
先日は関東地方は大雪。大変な状況でしたね。皆さんお怪我等はありませんでしたか?
はるか離れた宮崎は何の影響もないように思われますが、関東からの荷物が予定どうりに届かずお店は少々バタバタ。やはりいろいろと繋がっているんだなと改めて感じた次第です。
さて、皆さんからご協力いただいて作品展用の苗が続々と集まってきています。
作品展に向けてそれら注目株の一部をご紹介していきましょう!
まずは四国の植田光宣さんの品種からです。
‘サンフラッシュ’
前回の作品展でも紹介していますが、見れば歴然。!どうすごいのか分かりますね?
そう、この色の組合せです!!
レッド&イエローは見元さんの‘舞姫’や前回紹介の‘華迷宮・レッド&イエロー’などがありますが、その逆はありません。今のところこの品種のみです!
この品種を初めて見た時には本当に衝撃を受けました。だって、私のところでも出たことが無く、予想だにしなかった色合いだったんです。
そして、ある種完成してる。本当に感動しました。
今回の作品のテーマは「未来へ、更なる進化!」です。
で、この色が進化しているんですよ。ここがMAXじゃないということです。さて、どう進化しているかと言うと・・・。
‘サンフラッシュ・クリーム’
黄色の色がアプリコットへの色目を強めオレンジ&レッドになりつつあります。
このオレンジ&レッドっていう組み合わせも実はありそうでないんですよ!
栽培中にこのような色の変化が現れた、つまりはこの花がそうなりたいと思っているのだたと思います。
これからこの品種はどう進化していくでしょうか。これは植田さんとこの花との共同作業です。とにかく何かの方向へ変わっていくことは確か!
その進化の過程を是非とも皆さんに見て頂きたい。それに立ち会って頂きたいです。
ちなみにこの色合いは「オレンジ」に見えますが、‘ペニー・オレンジ’などの一連のオレンジの品種とは色素の構成が違います。
ですから、普通のオレンジ色と交配してもオレンジ色は出ません。藤田伸也さんの‘こみかん’などもおそらくこの色素構成です。
違う方向性から「オレンジ」を目指す。この花を見ると「そこに至る道は一つではないんだな」と改めて考えました。
今回の作品展、進化中のいろいろな花たちが並びます。どうぞその進化に立ち会って頂きたいと思います。
花たちとお待ちしています!!
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html
ROKAの‘英国淑女’
17日に自宅の門かぶりの梅が開花しました。
落語なんかでは良く出てくる「門かぶりの松」ですが、自宅に植えてあるのは松ではなく梅。八重咲きの白花の雲竜梅。
毎朝見るので季節の移り変わりの目印みたいになっています。
とにかく寒くても春は確実に近づいているのには違いありませんね。何か心が弾んできます。
と、同時に作品展や原稿の締め切りも近付いてくるわけで・・・。沈む気持ちをとにかく梅の花を見て弾ませています(笑)。
さて、いろいろとご紹介したい育種家さんの品種はあるのですが、どうしてもこれは紹介しておきたい私の品種です。
‘英国淑女’
ライトブルーパープルのシェードに絞りが入る個体を含むスター咲きの品種になります。
交配は4年前(たぶん)、組合せは‘モザイク’✕‘コーソンhyホワイト’。この後代選抜になります。
この親株(種子親)の‘モザイク’はもともとは鹿児島の藤田伸也さんから分けて頂いた株。
アプリコット地にローズパープルの絞りの入る小輪の品種と言うことで種子を買ったそうですが、絞りの出現率が低くて株の形状もばらつきがあって、もう来年は作らないと言われていました。
出現率が低いのでそれを高めていく方向性もあったのですが、絞りのバリエーションを広げるべくいろんなものを交配してみました。
なぜ、それがコーソンhyホワイトだったのかは覚えていませんが、できた花はスター咲きでこれはヒットだ!と思いました。とにかく上品な色合いと花型なんです!
これが、4年前の画像(F1)。
最初はこんな感じ。絞りも薄らでした。これはいいと頑張って採種。
ところがその後の育苗がうまくいかず一時は絶えかけたのですが、ほんの数株残った物を拾い上げようやく復活することが来ました。それが一番上の花たちです。
て元はこんな状況ですが、早い時期にあちこちに配布しているのでどこかで別の進化をしてるかもしれません。
絞りが最初よりも入るようになりました。また、絞りが入りなくてもいい感じです。
で、ふと気が付いたことが。絞りは絞りでも通常の‘キャンティー’とは違った感じの絞りではありませんか。
これは絞りの2つのタイプがあるぞ。
よくよく考えてみれば以前紹介した‘コーソンhyそばかす’もこれと同じ絞りの入り方。
通常の絞りは主にその地色より濃い花色(色が抜けて白くなるものもある)が直線的に入る訳ですが、これはまだら状に白く色が抜けています。
いわゆる「飛び散ったミルク」と言われる「模様」です。
まだまだ観察が必要ですが、こちらの方が遺伝しやすいように感じます。と、言うことは新たな絞りの一群ができると言うことですね。
でも、白や黄色の淡い色では無理か・・・。(笑)
「いやー、パンジー・ビオラって本当に面白いですね」。
そんなところも含めて展示します。どうぞ、御覧になってください。
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html
コルシカとその周辺
さて、こんなタイトルを付けると、すわ領土問題か?と思いますが、全くそうではなくてビオラの原種の「コルシカ」のことです(笑)。
2年ぐらい前から、原種のコルシカが流通するようになりました。それがこれ。
コルシカ
この原種はその名のとおりイタリアのコルシカ島の原産です。ビオラの原種の中では大きくてそれ自体でも十分に観賞価値があります。
で、そのもの自体は間違いないのですが、表記の点で少々混乱を招きそうな気がします。
まず、「正式名」はこれは「学名」のことですね。出来れば、学名表記で「Viola.corsica」として有れば親切です。
そして、一番の混乱となりそうなのが「和名」の表記。
今のところ正式な和名はありませんが、もし付けるとするならば「コルシカスミレ」が妥当でしょう。
和名と言うのはいわゆる日本のものに当てはめて解釈することです。
例えば同じく原種のコルヌータはその花の形から「ツノスミレ(角菫)」となっていますし、アルベンシスは野原に広く分布することから「マキバスミレ(牧場菫)」が提唱されています。
「ツタンカーメン」は日本のもの(日本語、和語)じゃないですよね。
これはどちらかと言えば「商品名」でしょう。でもこの商品名も紛らわしい。
この苗の出回る前に笈川さんの品種で‘ツタンカーメン’がすでにあるので、私なんかはそこで混乱してしまいます。
そして、宿根は間違いないですが、いわゆる‘コルビネ’などの園芸種の「宿根ビオラ」と同様に日本で宿根するのかは少々疑問です。
原種の苗が流通することはとてもうれしいのですが、混乱を招くような表記は避けて頂きたいものです。
ビオラ・コルシカ
こちらは外国から種子を購入したもの。原種でも個体差がありますので、上の株とは若干形態や花型が違いますね。
‘ブルーオブパリス’
原種ではなく園芸品種として種子が販売されています。
コルシカが関わってるのは一目瞭然!
ラベルが外れたら分からないくらいよく似ていますが、つぶさに観察すると花型がやや丸みを帯びて茎葉の産毛も原種と比べたら少なめです。
なかなか思いどうりの結果が出ずに使いにくい原種です。
でも、それではいけませんので交配に挑戦しています。
コルシカ✕マイビオラhyラベンダー
マイビオラの遺伝性はこれまで述べてきたとおり。では、原種との交配ではどうか?
その遺伝性のとおりになりました。さてさて、ここからどうするか思案中です。
コルシカ×ルリタテハVar
コウロギさんの品種と交配してみました。
これまでいろいろな品種と交配してきましたが、この原種の紫色と縦長の花型が曲者で、色は濁るわ中途半端な花型になるわで、おまけにそれが代を重ねても抜けないわでそのほとんどが挫折してしまいました。
で、どうせなら気を狙わず、確実性をねらって原種に近い色と花型で交配して見ました。
結果は無難ですがここからスタートした方が確実でしょう。頑張らねば!
セミコルシカ
唯一残っているコルシカの交配種です。コルシカからずいぶんと離れちゃいました。
コルシカ使ってどうなのか?まだ答えは出ません。
そんな原種も展示しますので、どうぞおいで下さい!!
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html
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内野連子さんのパンジー
梅は咲き始めましたが、その輪数ほどの暖かさにはなかなかならない宮崎です。
作品展は宮崎も一番寒い頃。寒波がその時に来ないのを願うばかりですよ。それよか、準備、準備っ!!
さて、作品展。
お近くの方はの時ばかりのレンタル。そのため、デビュー前の親株を出していただけます。
これらはその方と親しくなってハウスに招き入れてもらわなければ見ることができないものです。
そんな貴重な親株を串間の内野連子さんが持ってきてくださいました。
内野さんは串間市在中で、ブリーディング講座の第1期生。
生産者ではなく主婦の方で、交配を始めて今年で4年目になります。
その内野さんの系統。16系統を展示します。
まだまだ、固定化したものはありませんで、その時の最新交配がメインの展示です。
今回、またまた興味深い物を出してくださいましたよ。
‘フェアリーチュール’を使った交配。
興味深いでしょう?フェアリーチュールを使うとこんな感じになるみたいです。
とにかく’フェアリーチュール’の美しさに魅せられて交配、いくらかは八重咲きが再現できていますね。
でも、大事なのはここから!どう進むかです。
例えば、マラソン。先頭を走るランナーに憧れてそのフォームをいくら真似てもそのランナーに追いつくことは不可能。
かろうじてそのバックに付けたとしても同じゴールを目指していては絶対に追い抜くことはできません。
だから、その道から外れていくことが大事。自分なりのゴール見つけてそこに向けて走ることが大事なんです。
‘フェアリーチュール’の再現をしても仕方がないんです。だって、完璧な八重咲きの‘フェアリーチュール’がそこにあるんですから。
ですから違う道を探す。
道はいっぱいあります。例えばフェアリーチュールにない色。例えば、細弁、反転、切れべんなど。これらを組み合わせればゴール(方向性)は無限でしょう?
元の品種に敬意を持ちながら、それとは違う方向に進む。これが育種では大事だと思います。
ちなみに、八重の再現については平成三色すみれ考に書いていますので興味のある方はご覧になってください。
マイビオラ交配。
しっかりとマイビオラの遺伝子も取り入れていらっしゃいます(笑)。
これもマイビオラの再現をしても仕方がありません。だから敢えて違う方向へ。2番目の花から広げて行かれるといいですね。
‘都井の火祭り’
最初の頃からずっと追われている系統です。
ローズパープルのラッフル。なんというのでしょうか、色や雰囲気に“厚み”みたいなものが出てきています。
これが「年数が重なる」ということだと思います。
‘朝凪(仮名)’
最新系統(交配)。オリジナル系の交配で出現したビーコンです。やはり、色の深みが違いますね。
交配を始められて頃はどんなもがいいのか(好きなのか)迷われていましたが、4年目で内野さんの世界が見えてきはじめました。
それは、「パンジー」であること、「ローズパープルの色あい」であること。集合写真を見ればお分かりになるでしょう。
多くの皆さんが小輪系に取り組む中、花の大きなパンジー。そして、女性の多くが淡い色合いを求める中、濃い色合い。
この組み合わせを追求されているのは今のところ内野さんだけです。先は長いですがゴールらしきものが見ええましたね。
そして、個人的に嬉しいことが・・・。内野さん、交配最初から「記録」をきちんと付けれられていました。そしてこれが今年で4枚目。
「とにかく記録が大事と言われていましたが、今になってその意味がよくわかりました」、「今の花がどうつながっているかよくわかります」と、の言葉。一番これが嬉しかった!
そう、初めは「本当にそうなのか?」とわからなくても、実際にやってみるとわかるんですよ。これは間違いないことです。
さあ、このような最新交配系も展示します。
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html
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着々と!
だんだん作品展の日程が迫ってきました!
お近くの方々の作品の搬入も始まっています。
最初に出していただける作品の数は確認するのですが、鉢の大きさなども関わってくるので実際に運び込んでいただかないとどれくらいのスペースが必要かわかりません。
ですので、みなさんが運び込んでからの場所の割り振りとなり、あってちに並べて、こっちへ移動してと・・・、これが前日ぐらいまで続きます。下手をするとこれが期間中も続くわけで。ま、そんな感じです(苦笑)。
日曜日は今大注目のブリーダーのコウロギノブコさんが搬入をしてくださいましたよ。
さすがコウロギさん、今回も注目の作品を出してくださっています。ここがやっぱりコウロギさんのすごいところですね!
あとは鹿児島の藤田さん、村富さん、石川園芸さんや大牟田さんの搬入が控えています。
さて、現状は以下のとおり。夕方撮ったので少々ピンボケしています。すみません。
M'sビオラのコーナー。
基本タイプは大牟田さんが搬入予定。ほか、今年出た新タイプの親株候補を展示します。
コウロギノブコさんのコーナー。
期待を裏切りませんよ。それらを見ていただければ、皆さんが五ヶ瀬参り(コウロギさんの圃場見学)をされるのがよくわかると思います。
ハンギングタイプのビオラ。
新しい楽しみ方の提案です。‘モンロースカート’の最新系!!
植田光宣さんのコーナー。
人気作品の最新系を展示!
昨年ほどはありませんが、黒系も展示。
見元一夫さんのコーナー。
30以上の作品が揃いました。これまでの展示で最高数です!
及川勝之さんのコーナー。
こちらもかなりの作品数が集まりました。やっぱり色合いや雰囲気がおしゃれです。
外しちゃいけないコーソン系。
マイビオラの血が入った系統も!保存しながら進化しています。
個人育種がメインの展示ですが、ゲブラナガトヨさんの品種が入手できましたので展示。とても花付きがよくて株が大きくなる品種です。
村富史昭さんのコーナー。代表作の‘桂鈴’の搬入はこれから。
作品が集まり出すととやっぱりみなさんの“気”みたいなものが溢れてきて徐々に作品展らしくなってきています。
全部集まってみないと正直どんな感じになるかわかりません。それがこの作品展!いやー、私自身も楽しみです!!
どうぞ、みなさんこれらの作品に直に触れてください。小規模ながら作者さんが花に込めた思いを感じられること間違いなしです。
さてさて、こんな感じで作品展始まります!!
作品展のご案内はこちら ⇒ http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11440529995.html
作品展始まりました!!
遂に、遂に作品展始まりました!!
と言いつつも、まだ間に合っていない分もありますが、それは期間中に・・・(苦笑)。
初日はあいにくの雨、巨人、ソフトバンクホークスのキャンプインも雨での開始。ま、こんなこともあるでしょう。
でもこんな雨の中でも来てくださる方もいて、本当にありがとうございます。感謝感激です!
とにかく忙しいのでひとまず会場の様子をご報告。
今日は一気に晴れて、まるで春のような陽気。おかげで見学者の方が多くて撮影する間がなかったので残絵ながら昨日の様子です。
晴れていると本当に春の花園ですよ!!
お店の入口。
秘密の花園の入口です(笑)。晴れているともっといい画像なんですがね・・・。
まずは、藤田伸也さんの作品群。
‘こみかん’はやっぱすごいです!!
これまたすごいコウロギノブコさんの作品。
とにかく実物を見てください。詳しくは後日ご報告します。
松永一先生に貴重な系統。
こんな極々小輪見たことがない。そんな声も多いです。
私の作品。吉村龍典くんが育苗しています。
古い作品ながら‘雪うさぎ’がとても人気!
先日の「貴重な遺伝子セット」、この雪うさぎが欲しくてご注文してくださった方もいらっしゃいました。(多くの申し込みありがとうございました!)
吉村くんが、この作品は今年もまた作ります。乞うご期待!
見元さんの作品群。
な、なんと50品種を展示していますよ!!そのバラエティーにびっくりです!
植田光宣さんの作品。
人気の‘パピヨンワールド’。極小輪のフリルも見てください!!
原種と古品種も展示。
これがなければ今の品種はありません。祖先の姿を見てください。
あまり見ることのないコーソン系です。
石川園芸さん育苗の作品群。
‘モンキージョージ’がこっちを見ています(笑)。それに‘波流’のグリーニッシュは新花色として話題騒然!!
‘結’です。
今まで見たことないもないような色が出現しています。どう表現していいかわりません。
大牟田尚徳さんが育苗しています。大牟田さんは「色」がテーマ。見事その通りになっています。
仙台の田所裕子さんの作品。
花への愛おしさがとても伝わってきます。
日南市の村冨史昭さんの作品。
‘桂鈴’はやはり「ほしい」との声が多いですね。
言わずもがな、及川勝之さんの作品。
とにかくオシャレな色合いです。
串間市の上垣笑子さんの作品。
寒くて開花が進まなかったのですが、お願いして出してもらいました。
こちらも串間市の内野連子さんの作品。
少し前にブログで紹介しています。
三郷町北郷区の眞田じゅんこさんの作品。
こちらも寒くて開花が遅れています。
緋毛氈での展示。
こんな飾り方の提案です。
「ロングポットでの出荷に向く品種の作成」をテーマに行った交配の展示。
プレンティーフォールを使っています。組み合が違うとこうなるということを見てください。
ご存知、金屏風の展示!!
何も説明いたしません。まずはじっくりご覧下さい!!
こんな感じで作品展始まっています。
2月10日(日)までです。パンジー・ビオラの魅力をその目で体験してください!!
お待ちしております!!
コウロギノブコさんの‘モンロースカート’
作品展始まっています(汗)。
初日はあいにくの雨でしたが、2日目からは天気にも気温にも恵まれて花たちが輝いています。
そんな花たちを見にはるばる県外から来てくださる方もいらっしゃって本当に嬉しい限りです。ありがとうございます。感謝!!
ようやく気持ちも落ち着いてきましたので、作品展の内容をご報告したしましょう!
まずは五ヶ瀬町のコウロギノブコさんの作品から。
コウロギさんのすごさは、パンジー・ビオラにこれまでになかった花型であったり、色合い、模様を作り出されていること。それも次から次にです!
何度かご紹介した「反転咲き」もその一つ。で、それをさらに進化させていることがまたすごいです。
‘ハミングバード’
見事に上側弁が反転していますね。今までに見たこともない花型に多くの方がびっくりされました。
で、コウロギさんのすごさはこれを再現できる系統を作り出されたこと。
実は、この反転咲きは自家採種していると時折いろんな系統から出てきます。
でも、セルフで採種しても伝わらないことも多くあります。過去に私のところでも出ましたが結局、再現できずに腰砕けになってしまいました。
これはある種の「運(伝わりやすい系統であった)」みたいなものもありますね。
しかしながらやはりこのハミングバードも種が乗りにくいとのことで、ほとんど流通はしていません。
で、ここからが進化です。コウロギさんの本領発揮!この反転咲きが進化するんです。
‘モンロースカート’
花型が大きくなり、フリルも加わわりより華やかに、色も上品な色になりました。ネーミングは花を見れば言わずもがなでしょう。
ハミングバードもすごかったですが、モンロースカートを見るとその存在は薄くなります。これが大事なんですよね。
画像がないのですが、これ以外の色もあって、また這い性の系統もあって釣鉢向きの個体もあるんです。
凄すぎます。でも、これで驚いてちゃいけません。
この更に進化系が!
‘飛翔(仮名)’
花がさらに大きくなってフリルがなくなってシンプル。
モンロースカートともいいですが、こちらはデザイン的にはさらに突き抜けた感があります。
ね、もうびっくりでしょう?こんな感じでまだ見たこともないような花を展示してくださるんです。おかげさまでどんなに助かっているか(笑)。
これは本当に実物を見ていただきたいです。
‘鳳(おおとり)’
こちらはパンジーの反転咲き。こちらはまだ手付かずですが、きちんと遺伝して再現できます。いずれ進化をするでしょう。
ね、コウロギさんのすごさわかっていただけました?何、わからない?
では、次回も話を続けましょう。
と、こんな感じで作品展やっています。
2月10日(日)までです。どうぞ、コウロギさんの作品を見てください。
さてさて作品展。多くの方が紹介してくださっています。こちらもご覧ください。
園芸日和 ~ハナノイロ~⇒http://lotusengei.blog71.fc2.com/
めりるの「てげてげガーデン」diary♪♪⇒http://blogs.yahoo.co.jp/meryl_an_meryl/67774776.html
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作品展終了しました!
作品展、無事に終了しました・・・。
「作品展始まりました」からいきなり「終了」。で、「中間」はどうしたんだっ!と多くの方からツッコミを入れられそうですが、すみません。
「期間中も更新できるだろう」との甘い考えも、いざ始まってみるとスケジュール的にも体力的にも無理でした。あはは・・・。(汗)
期間中は多くの方がご来場。感謝!感謝!!
特に業界関係者の方が回数ごとに増えていて、かなり認知度が高くなったのを感じております。
おまけに県外からも。宮崎県民としては県の振興にわずかながらも貢献できたかなと思っておりますよ。
さて、作品展は既に終了しましたが、多くの方がブログでアップしてくださっていますのでご紹介しましょう。
いろんな視点から報告してくださっていますので、こんな感じだったのだとより深く見てもらえると思います。
園芸日和 ~ハナノイロ~⇒http://lotusengei.blog71.fc2.com/
めりるの「てげてげガーデン」diary♪♪⇒http://blogs.yahoo.co.jp/meryl_an_meryl/67774776.html
はな*うららⅡ⇒http://hanaurara2.exblog.jp/18565550/
気ままに花遊び⇒http://ameblo.jp/hanasuki-piggy/entry-11464500435.html
Lucy Grayの花暦日記⇒http://ameblo.jp/lucygray-green/entry-11463067611.html
とよた花菜工房⇒http://blog.machikurublog.jp/toyota-hanakobo/kiji/40312.html
もしかすると私が把握してしていない方もいらっしゃるかもしれません。
「私もやってますよ」という方は是非ご連絡ください。リンクを貼らせていただきますので。
ちなみにとっとり花回廊でもパンジー・ビオラコレクションが開催されています(11日まで)。
私を始め、こちらも多くのブリーダーさんが参加されています。
とっとり花回廊スタッフブログ(数回に分けて掲載されています)⇒http://blog.zige.jp/piroporo/kiji/522195.html
hiroの日記⇒http://ameblo.jp/hiroro689/entry-11462259500.html#main
また、4月は北海道の滝野すずらん公園でも作品展が開催されますよ。
ポスター⇒http://www.takinopark.com/press/2013/takinopark_press_130125.pdf
そして、担当者(桐口)さんからのご連絡。
北海道でパンジー・ビオラの育種、もしくは育種とまでは行かなくても自家採種のパンジー・ビオラの種を播いて育てている方がいらっしゃいましたら、ご連絡を頂きたいとのこと。
宮崎が種まきで盛り上がっている様に北海道も盛り上げていきたいとのことでした。
連絡先はこちら↓
札幌市公園緑化協会共同体 滝野管理センター
業務課 管理係 桐口雄
〒005-0862札幌市南区滝野247番地
TEL011-594-2222 FAX011-594-2230
E-mail:takeshi-kiriguti@prfj.or.jp
作品展、本当に多くの方のご協力によって無事に終了することができました。ありがとうございました。
コウロギノブコさんの‘ローズベイン’
作品展、終わって少しは時間がゆっくりになるかとおもっていましたが、先週は母の法事や鹿児島行きなどで忙しくブログを更新する時間もありませんでした(疲)。
作品展の後片付けも途中。ハウスの中はぐっちゃんぐちゃんです(苦笑)。
おまけに来週の水曜日には宮崎ケーブルテレビの取材が急に入りと・・・、今更ですが作品展を取材して欲しかったなあ。と、いう感じでとにかくいまだにバタバタです。
ハウスの片付けも終わりそうにないので、取材はもうその場所を避けて移してもらうしかありません(汗)。
さてさて、作品の紹介が中途半端。コウロギさんの続きです。
今回は皆さん(特に業界関係者)がびっくりされたベイン(あみめ)模様をご紹介しましょう!
ちなみに「ベイン」は、脈が黒く色づいて「網目」のように見える模様です。市販品種で唯一流通している品種が‘タイガーアイ’、こんな感じが「ベイン」です。
昔はタイガーアイよりも大きなパンジーで‘ビュノッツ・スーパーブロッチュド’という品種がありました。鈴木明先生が長年保存されていましたが、既に絶えてしまったと思われます。
ですから、タイガーアイをより大きくしよう、パンジーのベイン品種の復活を!というのが今のベイン育種の方向性です。
‘タイガーウィン’
レッド~イエロー&レッドの色幅にベインが綺麗に入ります。4cmほどの大輪になりました。
脈の部分のアップ。
脈の部分が黒く色づいていますね。ね、これが全体に広がってまるで網目のように見えるでしょう?
ベインの育種の難しさはこのベインを上弁に広げることです。側唇弁には比較的入りやすいのですが、これが上弁となると難しい。
私も結構長くやっているんですが、未だにうまくやれていません。だから、ここまでやれたのはほんとすごいこと!
とにかく時間と手間がかかる。だから、種苗会社はまずやらない(やれない?)育種です。
で、これが普通のベイン模様。ところがコウロギさんの‘ローズベイン’はこれとは違ったベイン模様なんですよ!!
‘ローズベイン’
ちょっとどう形容していいのか分かりませんが、とにかくベインに見える。
これは‘ノブコズローズ(濃ローズ単色)’(過去の関連ブログはこちら⇒http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-10702924191.html 、http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11131016639.html )からの変異選抜。
ベイン模様のものが出現したので拾い上げて行ったらこうなってきたとのことでした。
‘ブルーベイン’
‘ローズベイン’を選抜していたらブルーのものが出てきたとのこと。
どちらも見事な網目模様ですよね。
本当に皆さん、この花を見てびっくりされていました。特に業界関係者の入り込み様は半端じゃなかったですね。
この花を見れば当然かもしれません。だって、今までにないベインの出方なんですから!!
で、よく観察してみてもこれがどうなって発色しているのかがわかりません。
ベイン部分のアップ。
この品種は昨年から展示しているのですが、その時は「チェンジングカラーで、脈を残して地色のみがローズに色づいた」ような発色をしていました。
ところが、今年改めて観察してみるとどうもそうばかりじゃありません。脈の部分が白いものもあるが、脈が色付き地色が白く抜けているのもある・・・。見れば見るほどわからない。
総括すると、「通常はど脈、地色のどちらか一方のチェンジングカラーが脈と地色で複雑に絡まって起こっている」みたいです。今のところそうしか言えません。
とにかく今までにない形質をコウロギさんは拾い上げてしまいました。
ね、コウロギさんの凄さがわかるでしょう?
私なんぞはいろんな可能性を求めて交配を行っているわけですが、所詮それはパンジー・ビオラという観念のお釈迦様の手のひらの上。
でも、コウロギさんはその手のひらの上から飛び出している。いや、元からその上にはいなかったのかもしれません。これが、コウロギさんの凄さなんですよ。
だから、今一番注目を浴びるているわけです。
皆さん本当に刺激を受けられて帰られました。私も頑張らねば!!
でも、コウロギさんオーソドックスなものも手がけられてもいるですよ。それは、次回で!
コウロギノブコさんの新花たち
昨日までの雨も止んで、今日はいい天気!でも、ちと寒い・・・。
午前中は宮崎ケーブルテレビさんが取材に来てくれました。熱心に話を聞いてくださってとても細かくて深い取材でした。さて、どのような編集になるのかとても楽しみです。
ちなみに、新番組「てげテレ」のコーナー、「Flower*Life」で10分程度の紹介。
放送日は2月28日(木)、17:00、20:00、23:00。翌日、8:00、11:00。土曜日21:00、日曜日13:00です。
視聴可能の方はよろしければご覧になってください。
さてさて、コウロギさんの話題が続きます。今回は新花をご紹介しましょう。
とにかく今までに見たことがない色や形が目白押しです!
‘ささゆり(仮名)’
淡いピンクの抱え咲きが初登場!
「花が咲き終わったみたい」と花がら摘みをされてしまいそうであった「抱え咲き」もようやく認知が進んできました。嬉しいですね。
抱え咲きはこれまでに白色の‘雪こんこ’、黄色の‘星きらり’を発表されていますが、今度はピンク!
やはりピンクとなると雰囲気がとても上品ですね。
‘ゆりかもめ’からの変異とのことですので、良い香りの個体も出ています。まだまだ、抱え咲き進化していきますよ。きっと!
‘ブルーウォーター(仮名)’
抱え咲きのこんなブルーの個体も登場!雰囲気からコーソン系かもしれません。
いい感じに抱え込んでいますね。
名前は「ふしぎの海のナディア」を見てればすぐにわかるでしょう。そんな感じの抱え咲きです。
‘ノブコズグリーニッシュ(仮名)’
最近、色合いでは「グリーニッシュ」が注目を浴びています。
そのため多くの方が取り組み始めており、コウロギさんも始められました。今回はまだその候補だそうです。
咲き始めは、グリーンを帯びていてフリンジで本当に綺麗!だけど開花するに従って黄色みが強くなってきました。
コウロギさんのグリーニッシュは是非見てみたいですよね。この花がどんな風に変わっていくのかとても楽しみです。
‘陽光(仮名)’
アプリコット?ブラウン?ちょっとこれまでに見なかったような色合いですよね。
ウェーブの中小輪パンジー。この色合いは秋の日の陽光をイメージさせます。
‘ステンドグラス’
‘なのはに蝶々’の系統にあたりますが、これまでにない不思議な色合いです。
本当にどうやったらのこのような色合いを作り出せるのでしょうか?お聞きしたら笑ってはぐらかされました(笑)。
‘ステンドグラス・ラージ’
上記と同じ色合いの大輪。本当に素敵な色です。
同じ色合い、花形でも大きさが違ってくると迫力が違いますね。
また、面白いことに小さな方は女性に人気で、大きい方は男性に人気でした。このあたりの好みが男性女性の違いかもしれません。
‘スーパーサイヤ(仮名)’
黄色の濃淡に赤ブロッチの大ラビット咲き。赤ブロッチの品種自体が珍しいのに、この花の上弁には切れ込みが入ります。それも上弁のみ。
今までにこんな感じの切れ弁大ラビットの花はありません。
実は私、コウロギさんの品種命名のアドバイスをさせていただいています。
コウロギさんのイメージ世界から離れないように、また深まるようにいろいろと考えるわけですが、この花だけはどうしてもそこから離れてしまいそうです。
そう、この上弁の切れ込みが私にはどうしてもアノ有名人の髪型に見えて仕方がないのです。
コウロギさんのキャラ、世界観とは違いますが、あえてこの名前を提案してみました。最終判断はコウロギさんの判断です(笑)。
これまでにない花形の提案、既存の色形の進化。これらの作品を見ればコウロギさんの“凄さ”がお分かりになると思います。
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眞田じゅんこさんのビオラたち
日が照れば暖かい、陰ると寒い・・・。寒い、そんな日が続いている宮崎です。
それでもキャンプ等で宮崎を訪れた方々は暖かいと・・・。これぐらいで寒いと言っちゃいかんなと気合を入れ直しております。
さて、とうに終わった作品展ですがまだまだご紹介しきれません。
「個人育種家の作品を見て欲しい」と始めた作品展ですが、ほかにも「育種を楽しんでいる方々の作品発表の場の提供」というテーマもあります。
そして、デビューまで行ければこんなに嬉しいことはありません。
そんなデビュー間近のお一人が眞田じゅんこさんです。
眞田さんは宮崎のやや北部の山あいの三郷町北郷区で育種を楽しまれている20代の女性です。
ブログ:My-Favarite-Violet ⇒http://ameblo.jp/hana-nyan/entry-11473997247.html
今年は寒く、花が咲かないということで4作品のみの参加。
当日までに咲くかどうか心配でしたがなんとか開始までには咲き始めて一安心。でも、残念ながら1作品は間に合いませんでした。
‘慶雲’
ピンクぼかし&ホワイトのやや細長弁。株はコンパクトで花立ちがとてもいいです。
春の訪れを感じさせるような(何か良いこと)色合いであるためこの名前をつけたとのことでした。
とても女性らしい雰囲気の花です。
‘ふくろう’
パープルホワイトフェイスの小輪。
興味深いのは、ペニーの‘ミッキー’の種を播いていたらこうなったとのこと。
何もないと育種はできないと思いがちですが、市販品種でも採り続けて行けばこうなるんだとお分かりになるでしょう。
私もビビ・ローズから‘こももこべに’を選抜していますが、これも特に何をしたわけでもなくただ種を採って播いていたらそうなりました。
ですから、何からでも始められるんです。
とにかく市販品種でも気に入った花があったら種を採って播いてみてください。きっと変わったものに変化していきますよ。
‘里凪’
画像ではブルーになっていますが、実際はもっと紫を帯びています。
花弁の緩やかな揺れが雰囲気いいですね。コーソン系の血が入っているようにも感じます。
‘モンキーアビー’
モンキージョージみたいだというのでこの名前。
草姿が普通とは変わっています。惜しむらくは、とても個性的な花ですが開花が遅いということ。作品展示は全く咲かず、この時期のなってようやくでした。
もう少し早咲きに改良出来たら注目を浴びるに違いありません。選抜選抜、改良改良です!
で、今回一番注目を浴びたのがこの花!
‘椿色’
ローズがブルーイングでくすんできます。花色もさることながら、個性的なのはこの花形です。
このような“コチョウラン咲き”は‘雪玉’がありますが、更にそれよりも個性的!(コチョウランを超えた?!)
この花形、これからどうなっていくのでしょうか?八重咲きになるのか?それとももっと側弁が下がってくるのでしょうか?
で、もうひとつ変わった特徴が・・・。
“距”が3つあります。
距とは唇弁のこの出っ張った部分のこと。これが3つもある。
「まあ、よく見つけたなあ」というのがみなさんのご感想。こんなところまで見ている人はなかなかいませんよ。
で、分解して観察してみると・・・、
側弁の付根が距みたいになってきています。
と、いうことは側弁が唇弁化しているということでしょうか?こんな事例をまだ知りません。
眞田さん、もしかするとすごく変わったものを拾っちゃったかも?大穴?大はずれ?結果はこれから。
とにかく観察と選抜を続けてください。
眞田さん、育種を始めて今年で4年目です。そのイメージ世界が確実に広がってきています。
それは作品名を見てもお分かりでしょう。「慶雲」、「ふくろう」、「里凪」、「椿色」など、それを聞いただけでもどんな花か見てみたい気持ちになります。
意外とこんなことが大事なんですよ。
既にイメージはあります。後はこの作品名にふさわしい花を選んでいけば間違いなくその名前の花になっていきます。
若いんだからどんどんがんばれ~っ!!
植田光宣さんの‘エンジェルレッド’
2月も下旬、いつもだと暖かくなってる頃のなのですが、今年はまだまだ寒さが残っています。
でも流石に日差しは暖かく春の感じ、人間には寒いけれどパンジー・ビオラには今が一番いい頃かもしれません。
さてさて、もう少し作品展の続きを・・・。
今回は植田光宣さんのビオラをご紹介しましょう。
いろいろ人気の作品をお持ちの中で、‘パピヨンワールド’はその上位に入るでしょう。
‘パピヨンワールド’
花形はラビット型。ステムは長めで花立ちが多い系統。で、魅力なのがその花色の多さです!!
10個体紹介していますが、これ以上の花色のバリエーションがあります。
“品種”は「ある一つの特徴でまとめられたもの」と「大きなくくりでまとめられたもの」に大きく分けられます。
例えば以前紹介した植田さんの‘サンフラッシュ’。
これは前者で「イエロー&レッド」の組み合わせから外れると品種じゃないってことになります。
ところが、「ラビット型、ロングステム、多花性」で大きくくくれば花色はいっぱいあって構わない。
事実、お店では前者の品種(1ケースに同じ顔)と後者の品種を並べると売れ行きがいいのは明らかに後者の方です。
どれにしようか迷うんですね。
でも、この“迷うこと”を知ってしまったたらもう戻れません。だって、“迷うこと”は“楽しいこと”なんですから。
この“迷うこと(迷わせること)”という方向性、生産面では大きなテーマになってくると思います。
さて、デザインというものは一つの新たなデザインが認知されるとそのデザインをベースに更に洗練化されていきます。
これは花も同様です。
平成の日本で生まれた「バニー」という花型。これが洗練されて誕生したのが「ラビット」になります。
そのラビット自体でも丸く、細くなどいろいろな方向性で洗練されています。そのシャープな方向性が以下の作品でしょう。
‘エンジェルキッス・イエローフェイス’‘エンジェルキッス・ホワイトフェイス’
‘パピヨンワールド’もラビット型ですが、それよりもよりシャープな感じのデザインになっています。
この作品もステムが長く、花立ちが多いです。それに株が大きめになります。
で、今私がラビット型で一番美しい作品だと思うのがこの‘エンジェルレッド’!です。
‘エンジェルレッド’
シャープな感じありながらもやや丸みを帯びた弁先。おまけに緩やかな揺れがあります。
この花型だけでも美しいのに、色が発色の良いレッド&ホワイト。この色合いのラビット型では色と形がベストマッチ!
その相乗効果で醸し出されている何とも言えない上品な雰囲気。ね、ラビット型では一番美しいという訳がお分かりでしょう。
同じ「型」でもデザインは人によって様々。だから面白いんです。
そして、あなたにしかできないデザインがあるんですよ。さあ、種を播きましょう!
今日の圃場 13.2.27
雨が降ると寒く、晴れると暖かい。そんな日が交互にやってきて春が来るんですね。自宅の前の山並では、赤い色が・・・、そう山桜が咲き始めています。
桜前線はソメイヨシノですが、やはり私の中では山桜が春が来たと一番感じる桜です。
さて、2月ももう終わり。逃げ月と言いますが、まさにそんな感じ。一体何やってきたんだろう、気持ちが焦り始めます(汗)。ひえっ、原稿がまだまだだよっ~!どうしましょう!
さてさて、現在の圃場の様子はというと・・・。
一見、片付いているように見えますが、作品展後運び込んだまま(大汗)。
これを系統や交配用などに分けて順番に配置をしていかねばなりません。
これが一番大変な作業です。手入れをしながら、記録をしながら、種子を入れる封筒もこの順番通りに並べていきます。
これが出来ると後は交配、採種の繰り返しの単純作業。まあ大変ですが、徐々にでもやっていかなきゃ終わりません。
何事も地道な作業の積み重ねですね。
交配はオーダーメイドの以来も増えています。とても嬉しいですね。
ブリーダーがデザインの提案をすることも大事だと思いますが、依頼があればそうすること出来るわけですから皆さん利用をされたらいいんじゃないでしょうか?絶対そういうこともありですよ!
ただ、私は今回はもう手一杯ですので、依頼されたい方は次回にお願いします(苦笑)。
さて、今回はセル播き初挑戦。で、調子こいて播きすぎたのでハウスに入りきれない状態になりました。
ですので、近くの畑にそれらの苗のほとんどは植え込みました。
これで、また一つ圃場が増えてしまいました。徐々に少なくしていかなきゃいけないと思っていたのに・・・。♪わかっちゃいるのにやめられない~。性分ですね、これ。
野菜と花が共存する不思議な空間でしょう?(笑)
祖父が生きていた頃には草一つない畑だったんですが、亡くなった後はセイタカアワダチソウは生えるわ、笹が根を張るわで荒れ放題、原野に戻りつつありました。
そこに手を入れて、なんとかここまで戻すのに3年近くかかっています。
何か植えないとまた荒れてしまうので、とにかく野菜を植えて雑草が生えないようにしてその合間にパンジー・ビオラを植えたのでこんな感じができました。
で、ここから親株を拾って交配、採種となるわけです。まず、ハウスが片付かないとできませんが・・・。
今回はレアな品種も播くことができて、ようやく花が咲き始めました。
‘アドミレーション’
パープル丸弁の小輪。何の変哲もないように思う方もいらっしゃいますが、とても古い品種です。
昭和60年代の文献に紹介されているので、間違いなくそれよりも前に作出された品種。
文献には写真もあるのですが、残念ながら白黒。ですからよくわからないのですが、ばらつきも少ないのでこれが間違いなくこの品種の花だと思います。
50年以上前の一年草の品種をまず見ることはありません。これはまた別でご紹介しましょうね。
‘ルテアスプレンデス’
これも同様に古い品種です。黄色でノンブロッチの種苗会社のビオラはこの品種の血筋です。
また、原種のルテアの血を濃く引く品種のようにも思えますので、観察を続けて行きたいと思っています。
‘コルヌータ・アズレア’
淡いブルーの小輪。原種のコルヌータの血を引く園芸種で時として宿根ビオラとして売られることもあります。
これらの品種は今の品種のように秋咲き性や冬場の連続開花性は弱いものです。
ですが、再び交配に使うことによって何かしらの新しい進化があるような気がします。
‘ストジャノウィ’
黄色の極小輪の這い性。這い性品種の作出にとても貢献している原種です。
原種には原種の良さがありますね。
焼けの交配。
焼けの交配もようやく咲き始めました。伝わっているもの、そうでないもの様々です。もう少し様子を見て親株を拾いたいと思います。
で、今年の種子配布はこの圃場で自然に結実したものを送る計画です。すごいでしょう?(笑)
とにかくこれ以上にいろんなものが混ざることが確実ですよ。
種子配布は、5月ごろになったらまたブログで紹介しますのでご希望の方はこまめにチェックして申し込んでください。
また、圃場の方は一般には公開していませんが見たいという方はご連絡を下さい。(日程調整が必要です)
いい靴を履いてくると汚れます。
入園料は取りませんが、その代わりに畑の雑草を10本抜いていただくことになっていますのでよろしくお願いします(笑)。
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宿根ビオラを使って
さすがに3月、夜はやっぱり寒いのですが、日中宮崎は日差しが違ってきました。
春は確実にやって来て、宮崎ではここから一気に春から初夏へ駆け抜けます。
そうなると開花も一気に進むわけでして・・・、採種のことをことを考えるとクラクラとしてきます。
とにかく、やることをやるしかありません。
先日は、M's Violaの生産メンバーの方が圃場見学。
手が回らない状態を見るに見かねてでしょう(苦笑)、圃場の草取りをいっぱいしてくださいました。お陰様で畑がだいぶ綺麗になりました。感謝です!!
さてさて、交配も大事ですが、より大事なのが記録。
パンジー・ビオラは一年草なので1年のうち半年ぐらいしか実物がありません。
在る時に画像や交配、特徴記録をしなければ時が経てばそれはなかったことになってしまいます。記録することでかつてあったことが証明されることになる訳です。だから、記録は大事!
で、これがまた大変な作業なんですよ。でも、在る時にしかできませんので、とにかくやらねばなりません。最低、画像だけでも残しておかねばね。
今年度は、また宿根ビオラを使った交配をやってみました。
春になると宮崎ではパンジー・ビオラの流通はほぼなくなるのですが、この頃ようやく出回り始めるのが宿根ビオラです。
久々に、実に久々にこのビオラに巡り逢いました。
‘モーリーサンダーソン’
ブラックの宿根ビオラです。
初めて見たのはブラックのビオラの品種がまだ少なかった頃。
このような違う雰囲気を持ったブラックにとても興味を惹かれました。本当に真っ黒でステムが長いんです。
流通量も当時も少なく、やっとのことで入手したことを覚えています。
で、とにかくいろんなものと交配してみました。今であれば黒の作り方(再現方法)はある程度マスターはできていますが、当時はそれがわからない。
でも、いろいろ交配した中で、紅小春(♂)との交配の黒味を帯びたローズは今まで見たことのない色合いでこれを拾い上げました。
で、セルフ。ところが、その子供たちのバラけること、バラけること!
今になって思えば宿根ビオラは種子的には固定されていないのでこうなることが分かる訳ですが、これも当時はよくわからない。
バラけるものを拾い続けていましたが、結局収拾がつかなくなって、追いかけるのをやめてしまいました。
で、その当時の種子を発見。久しぶりに播いてみました。
その結果が以下の画像。
(モーリーサンダーソン×紅小春)後代Mix
今だったらどうにかなるかなと思っていましたが、今でもどうにもなりそうにありません。あはは・・・。
後代がバラけにバラける傾向があるので、これが宿根ビオラを使う難しさです。
でも、香りが強くなったり、雰囲気が上品になたったりする(他、栄養繁殖しやすくなることも)のでこれは捨てがたい遺伝子です。
「難しいぞ、時間がかかるぞ」と、わかっているのに花を見ると相変わらずやってしまいます。もう病気ですね(苦笑)。
エタイン×ミニマンゴー(アプリコット)
エタインは綺麗な円形をしたピコティーの品種。
過去の記事はこちら⇒http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11208998415.html
ミニマンゴーは落合さんのセミダブルの品種ですが、セミダブルは劣性ですのでシングルと交配するとシングルになってしまうのがご存知のとおり。
一番目の花は完全に交雑していますが、2番目は微妙。
でも、自家受粉しているものであれば、このピコティーは遺伝子が強いですね。
エタイン×ソレイユ
ソレイユは植田さんのピコティーの品種です。
ピコティーとピコティーを重ねてピコティーの再現狙いです。
エタインが遅咲きなので早咲き性への改善や株の雰囲気を上品にできないかとの目的もありました。
ピコティーは綺麗ですが、他の部分が改善できたかは微妙。もう少し観察が必要です。
エタイン×ミルキーウェイ(ブルーピコティー)
ミルキーウェイはやはり植田さんの品種。ブルーのピコティーでフリルです。
と、言うわけでエタインをよりフリルにしたかったわけですね。
フリルが強くなった個体もありますが、ピコティーが崩れちゃったものもあります。
エタイン×レインボーフリル
レインボーフリルも植田さんの品種。
これは、「じゃあピコティーを重ねなかったらどうなるか?」という検証交配?ですね(笑)。
ピコティー、伝わっていませ~ん。レインボーフリルがローズパープルなので、その色が強く出ちゃいましたね。
さて、どうしましょう。
エリザベス×ウォータリーアイズ
ウォータリーアイズはトーホクさんの品種で、淡い色合いが魅力のブルーの品種です。
薄いブルーは出ませんでしたが、チェンジングブルーが1個体だけ出ています。
ハイ、何度も言っていますが、心しなければいけないのがここから。
ここで親株を選抜しても次代はかなりバラけやすい傾向があることを理解しなければなりません。
宿根ビオラは使うのが難しい。でも、秘められた遺伝子を持っているのも間違いないことです。
使うか、使わないかはあなた次第。都市伝説ならぬ宿根ビオラ伝説です。