「これは間違いなく妖怪のせいだ!」ってくらい雨が続いている宮崎です。
この妖怪はホント気も滅入らせるのでたちが悪い。どなたか妖怪退治をお願いしま~す!(笑)
さて、プリムラ交配の続き・・・。
昨今の和食ブームで、和食を外国人に紹介する番組が多いですが、その中で外国人シェフがびっくりすることの一つが「仕込み」。
寿司にしろ、ラーメン(スープ)にしろ、提供するまでにこれほどの手間と時間がかかっていることに多くの方が驚き、納得し、感動をされています。
直接は目に見えないそこに至るまでの経緯が重要ってことですね。
改めて育種も同じようなものだと思います。
そもそも育種は時間がかかるものではありますが、いい作品見るとその手間と時間が、そしてその想いが確実に伝わってきますもの。
プリムラはまだまだ仕込みの段階です。今はここをとにかく地道にやるしかありません。
ミルコロール×Kim-NO.25
前回とは両親が逆の交配です。
第一目的のステム立ちの個体を選出しました。切れ弁は出ていませんが、仕込んでいますので後代に分離してくる予定。
つまりは継続しなきゃ結果は出ないってことです。(笑)でもまずはステムをより長く細くの形状の改良からですね。
プリムレット×IK純白ステム
プリムレットは八重咲きのアコーリスの品種。いろんな色があります。
IKは石川さんの系統。
この組み合わせを見れば何が目的かお分かりですね。
そう、ステム立ちの八重咲き、そして大輪。
小輪のステム八重咲き品種はわずかにありますが、大輪の八重咲きはまだありません。
アコーリスとポリアンサ(ステム立ち)の子供はこれまでのとおり。
八重咲きはやっぱり劣性。
しかし、パンジーの遺伝性に倣えば早ければ孫の代で分離が見られるはずですね。
八重咲きの遺伝子も仕込みましたよ(笑)。
最終的には八重咲きの日本サクラソウにたどり着きたいです・。
ジュピター×IK
ジュピターも八重咲きのアコーリスで色幅があります。同じ八重咲きでもこちらの方が高価格で販売さていますね(笑)。
ステムの立ちはいいですが、花はごく普通になっちゃいました(笑)。
これだけを見れば仕込んであるとは思えませんが、しっかと仕込んであります。
KRホワイト×アコーリス・ピンクW
KRはコウロギさんの系統。それに品種名不詳のアコーリスのピンクの八重咲きを掛けています。
ホワイト×ピンクでイエローになっていますが、イエロー数株出ていますので種の混入等ではなさそうです。たぶん・・・。
母株に残したい形質を持ってくるのがベストですが、その逆交配もやってみる価値はあります。
上記2つの系統を比べると八重の遺伝性は低いかもしれませんが、ひとまず八重の遺伝子を仕込んだことは確か。
この段階で3つの仕込み系統が出来たのでこれらをうまく活用して行きましょう。
ブルーベリーのムース×ジェシカ(淡ピンク個体)
ブルーベリーのムースは早川園芸さんの超有名で人気品種です。
紫を帯びたブルーぼかしのアコーリスで咲き始めのフォルムがバラのようでとても素敵です。
アコーリスですが、ホームセンターに並ぶ大量の苗の中にたった1株あったステム立ちの個体を拾い上げました。
ジェシカは有名な銅葉の品種で、アコーリスとポリアンサの個体が混在します。こちらもステム立ちの個体を拾っています。
アコーリス品種でもステム立ちの個体を交配に使うと確実にステム立ちになりますね。
これも狙いはお分かりでしょう。
そう、バラ咲きのフォルムと銅葉です。
ステムは立ちました。フォルムも伝わっていますね。これで銅葉になれば言うこと無しですが、そううまくいくもんじゃありません。銅葉は仕込みになりました。(笑)
これら仕込んだものをまた複雑に混ぜ合わせて仕込んでいきます。
収拾が付かなくなるかもしれませんね。でも、それが面白い!!
何もない所からは何も生まれない。混沌から新しいものが生まれるんです。