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作品展開催中!

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現在、第7回パンジー・ビオラ作品展開催中!


残すところあと2日となりました。多くの方のご来場いただき感謝です!


正直なところ、「ああ、あと2日で終われる」という気持ちと「もう少しやりたい」との気持ちが入り混じっております。(笑)


作品展の状況を随時ご紹介したいのはやまやまですが、進行中のためその時間と体力がありません。


そこで、作品展を紹介していただいているブログをご紹介です!


はな*うらら さん

⇒http://hanaurara2.exblog.jp/


気ままに花あそび さん 作品展に参加されている石村あさみさんのブログです!

⇒http://ameblo.jp/hanasuki-piggy/


めりるの「てげてげがーでん」Diary さん

http://blogs.yahoo.co.jp/meryl_an_meryl 


と、わざわざ大阪泉南から来てくださった「ブレスガーデン」さんのフェイスブック

⇒https://www.facebook.com/breath87


と、皆さんとても詳しくご紹介いただいています。ありがとうございました!


で、今回の展示会には業界で有名な方が来てくださいました!

記念写真

皆さんご存知!


バラの育種家で横浜イングリッシュガーデンのスパーバイザーの河合伸志さんです!!


私とコウロギノブコさんと一緒に記念写真!イヤー、こんな有名な方と一緒に写真撮れるなんて感激です!


これらの作品を見てブリーダーの血がどうやら騒ぎ始めたようですよ。


もしかすると数年後には「禅ビオラ」なるものが登場するかも知れませんよ(笑)。ぜひ、パンジー・ビオラの進化にご協力ください!!


作品展、あと2日となりました。多くの方のご来場をお待ちしております!!


作品展終了しました。

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第7回作品展、無事に終了しました。


期間中は多くの方にご来場していただいてありがとうございました。心より感謝申し上げます。


回を重ねるごとに内容が充実して、それに伴って多くの生産者さん、販売店さんなどの方々がはるか宮崎まで訪ねてきてくださいます。ありがたいことです。


本当にパンジー・ビオラが繋いでくれるご縁ですね。

作品展終了

作品展終了

作品展終了

あれだけあった花たちもご自分の家へすでにご帰宅。一部はお迎えを待つばかりです。

作品展終了
作品展終了

こちらは私の圃場へ。かなりの量がご帰宅です(笑)。


そして、一部は山口県とはるか北海道の展示会へ巡業?です。


山口県は下関市園芸センターさんでの「虹色のパンジーフェステバル」3月14日から開催です!


紹介ページはこちら

http://www.city.shimonoseki.lg.jp/www/contents/1103098763706/html/common/54d7fb8e008.htm


約800~900品種ですよ!すんごい数です。


私の方からはこの展示会のための交配、冷蔵庫に眠っていた未発表の系統を合わせて100点以上提供させていただいています。


これらの系統(種子)をアイドルグループに例えるならば、現在展示中のとっとり花回廊さん、北海道の滝野すずらん公園さんはステージメンバー、それと違って園芸センターさんはまだステージに立てない研究生です。


もしかすると、ここからステージに上がってメインを張れるアイドルが出現するかもしれません。そんな原石を探し出す気持ちで見て頂けるとありがたいです。


北海道の滝野すずらん公園さんの展示は4月25日から。また、時期が近づきましたらご紹介しましょう!



さてさて、私は作品展が終わってからが忙しくなります。交配、採種が本格的に始まります。


ピーク時はホントに倒れるくらいあります(笑)。


採種依頼もまた増えて、なかなか自分の交配まで手が回りませんが、これも大事な役目なので頑張ります!



多くの方にご協力いただいてできた作品展でした。また次回もよろしくお願いします。ありがとうございました!!

新連載開始!

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かねてよりご紹介の「山野草マニアックスNO.42」、本日発売となりました!!

(ただし、地方の方は2~3日発売が遅れるかも・・・)

山野草マニアックス

前回の連載から約2年。


最近のパンジー・ビオラの進化はめざましいものがあって、1年前と今年では全く違います。


その進化に追いつくべく、この進化の記録を残していかなければなりません。

山野草マニアックス

新連載のタイトルは「新・平成三色すみれ考~それは日本人の花!~ Part1:より深く複雑に」


前回からの流れを踏襲しています。だって、「パンジー・ビオラは日本人の花になった」ってことがこの連載の基本のテーマなんですから(笑)。

山野草マニアックス
今回取り上げた内容は、複数の特徴が重なった形質の「重複タイプ」と、
山野草マニアックス

「ブルーイング(青染み)の発色」についてです。


作品展をご覧になった方は実感されていると思いますが、花色の進化は本当にすごいものがあります。これからこの花色はどう変化していくのでしょうか?

山野草マニアックス

そして、文章は清少納言の枕草子の一文から始まります。


え?枕草子と平成のビオラがどうつながるのかって?


それは文章を読んでいただかなくっちゃ!(笑)。ちゃんと繋がっています(たぶん)。


前回の連載は毎回でしたが、今回は年に1度のペース。


今回の作品展でまたいろんな情報を仕入れましたので、また次回は興味深い内容で書かせていただきますよ。


さて、話は変わりますが、ここ数年生産者の方からオリジナルビオラづくりについてのご相談を受けることがあります。


で、いざ話になって「焼けはですねえ…」と話し出すと、「はあ?焼け?」との返答。


今度は「青染みは・・・」と言えば、「はあ?青染みって何ですか?」との反応の場合が数件ありました。


オリジナルづくりについて興味を持っていただけたのはとてもありがたい話ですが、これら内容をメールや電話で最初からご説明するにはなかなか難しいものあります。


これらをやるやらないは別として最新の情報を知っておくことは大事です。これらを踏まえてのオリジナルづくりなんですから。


その際にこの本は役に立つと思います。また、残り部数わずかですが過去の連載もとても参考になりますよ。


新連載開始です!パンジー・ビオラに興味のある方は是非ご覧になってください!!


栃の葉書房さんの「山野草マニアックス」情報

http://www.tochinoha-shobo.com/sansobessatu/maniacs/maniacs.html


栃の葉書房さんのホームページはこちら

⇒http://www.tochinoha-shobo.com/

コウロギさんのフリル

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作品展終了からすでに1週間・・・。まだ、圃場の整理が終わりません。(汗)


回収したものを並べ替え、ラベルを付けて、写真を撮って、ついでに交配もして・・・と、これをまとめていっぺんに行っているので作業がどんどん進むわけがない(笑)。


各作業のみを行った方がスムーズのような気もしますが、交配は採種までに30日程度かかるのでその分の時間稼ぎでいっぺんに行っているわけです。


全部整理がついたころには、最初の交配が採種できると思います。(たぶん・・・)



さて、それと並行して作品展の振り返りなどをご紹介していきましょう。


まずは、コウロギさんのフリル、「ノブコズフリル」です。


今では「造形のコウロギ」と言わるようになった方。ですので、フリルと言ってもただのフリルは出してきません。


今年はそのフリルの系統を多く展示していただきました。

グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル
グリーニッシュフリル

‘グリーニッシュフリル’


コウロギさんのイメージするグリーンです。画像では黄色が強くなっていますが、実物はもっと緑を帯びています。


グリーニッシュのフリルは今のところこのの品種のみ!色合いがとても素敵です!


で、もっとすごいのが…、

ライクダブル
ライクダブル
ライクダブル
ライクダブル

‘ライクダブル’


一見、八重のように(ライクダブル)見えますが、5枚花弁のフリルです。


花弁のうねり(フリル)が強くおまけに立体的な花弁の配置のため、開き始めは特に八重咲きのように見えます。


言わば、これこそが外国人が「八重咲き」としていた花型です。

凄いことだと思いませんか?


日本人は本当の多弁の八重を作り出し、更には外国人が「八重咲き」としていた花さえも作り出す。



通常は多弁の八重が出来ればそれで満足。以降、その多弁の八重の範疇でのデザインの作成です。


コウロギさんのすごい所は、その範疇(観念)から飛び出したところから花のデザインを仕掛けることが出来ること。


多弁の八重ができてから、誰が八重咲きに見えるフリルを作り出そうと思うでしょうか?誰も考えないですよね。

それを成し得るのがコウロギノブコさんなんですよ!毎回、この方の凄さを身に知らされます!!


ね、「造形のコウロギ」と呼ばれる所以がお分かりになるでしょう?

コウロギさんのフリル2

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いろいろやらねばならないことがあってなかなか更新できないブログです(汗)。


コウロギさんのフリル、まだ続きがあります。

プチフリル
プチフリル


プチフリル
プチフリル

‘プチフリル’


フリルというよりは揺れが細かいのでフリンジというべきかもしれません。いろんな色合いがあります。


かの有名な「ミルフル」よりも一回り小さいサイズ、「ここまで小さくできるのか」と感動的ですよ!


画像がないので「ミルフル」との違いが分かりにくいのですが、比べるとミルフルは男性的で固い感じの草姿、こちらは女性的です。


これは横に並べるとはっきり分かるのが不思議です!

ドレープ
ドレープ

ドレープ

‘ドレープ’


「ドレープ」とは「布を垂らした時にできるゆったりとした襞」の意味。それを踏まえて「厚地の布で作った豪華なカーテン」のイメージです。


上記系統はブラウンにイエローのピコティーが入るだけでこんなに豪華な感じ。皆さん、たったこれだけのことなのにその豪華に見える感じにビックリされていました。


また、下の系統もブラウンシェードにブルーという豪華で上品な色合い。


まさしくお若いころに服飾関係の仕事に携わっていたことの本領発揮ということですね!



そして、今回の大注目!

トルネードラッフル
トルネードラッフル
トルネードラッフル

‘トルネードラッフル’


うねうねと重なり上がる花弁、何か連想しませんか?


そうまさしく「トルネード(竜巻)」のように見えるフリルです!


正面からの画像が見つかれないのですが、これは「花弁が後方に反り返ってフリル」という新しい形のフリルなんです!


前回でも言いましたが、「フリル」って言えば「ああ、あんな花型ね」って、だれでもその形を思い浮かべることが出来ます。


このフリルは、その根本を変えたんですよ!


誰がそんなことが出来ます?だから「造形のコウロギ」って呼ばれるんですよ!


実は、前回の作品展でもこの「トルネードラッフル」はビーコンタイプで展示されていました。でも、そこで気付いた人はわずか・・・。


それをはっきりさせようと今回はブラックで仕上げて来る。ね、やっぱりこの人凄いでしょ!(笑)


毎回、凄さが際立ってくるコウロギさんです。これらの花を見れば作品展を楽しみにされていることがわかりますよね(笑)。

今日の圃場 2015.2.23

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久方ぶりの大雨が降って、晴れればもう春!


植物は敏感です!一気に花を咲かせ始めました!と、こちらも一気加勢に交配を!と言いたいところですがそれがすんなり行くわけがない・・・。焦りばかりが一気に襲ってきます。


そんな圃場と畑の様子です。

15.2.23
15.2.23

15.2.23

15.2.23

畑の様子。


ここ2年ぐらい、雑草の繁茂を恐れて肥料を全く入れていなかったのですが、さすがにそうすると肝心のパンジー・ビオラも太らないので今回はたっぷりと肥料を入れました。


雑草が心配でこまめに抜いてはいますが、やっぱり追いつかない・・・(汗)。スギナも根絶できないまでも弱らせようと苦土石灰をこれまたたっぷりと施してます。


今のところ少しは効果があったみたい。


畑周りのスギナはより強力な消石灰を撒いています。こちらはやっぱりかなり弱っているので効果はありますね。


苗も今年はだいぶお嫁に行ったのですが、まだこんなに残っています。親株の拾い上げもまだ一部しかやっていません。


と、いうか、拾い上げられるかも徐々に微妙になってきています(笑)。


でも、いいんです。その分、今年の種子配布にまわしますので。これだけあればかなりの量が取れるでしょう。


もちろん、配布でも選んだ株からの採種ですよ!

15.2.23

15.2.23

さて、こちらはハウスの様子。


やっぱりこちらの方が断然暖かいようで花上がりも一気です!


記録が、整理が、交配が追い付かない…。毎回、前倒しで進めているんですがなぜか全然進歩がありません。困ったもんです。


とにかく少しづつでもやっていかないと片付きませんので、地道にやるばかりでございます。

親株リターン!ウィズグリーンさんから

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晴れたかと思ったら又雨の予報。


正直、雨はもう要りません。前回で大雨でじゅぶんに埃は落ちましたし、カラカラも潤いました。


これ以上降ってもらうと、パンジー・ビオラだけでなく雑草が伸び放題、花にカビも出始め、おまけに交配も進まないときたもんだ(笑)。


と、嘆いても仕方がないので、屋内で記録の整理をやることにしましょう。何事もポジティブにです。


さて、また親株が還ってきました。今回は宮崎市の「ウィズグリーン」の黒木正和さんからです。


「(苗)いっぱいで大変そうなんですが、(還して)大丈夫ですか?」と心配されたのですが、「大丈夫です!」と言ってしまったのでした(笑)。

言った以上は大丈夫ですから、ご安心を!


一応、ご依頼を受けて手掛けたものですから、やっぱりそれは気になりますよ~。


で、返ってきた親株がこちら!

プラリネショコラ
プラリネショコラ

‘プラリネショコラ’


「一粒のチョコレート」と言う意味です。


と、なればどのようなものを依頼されたのかわかりますね?そう、「チョコレート色」のビオラです。


もとになった交配は‘月あかり’בビターチョコレート’。


‘月あかり’トーホクさんの品種でおそらくもう出回っていないかもしれません。とても好きな色合いでした!


‘ビターチョコレート’は日南市の村富史昭さんの品種ですが、鹿児島の片山清美さんへ譲渡されて‘ノーティベア’としてわずかに生産されています。


どちらもブラックを帯びたブラウンのシェードで、完全な狙いのベタな組み合わせです。


ひとまずはこれで試行交配。


開花を見てもらったのですが、「う~ん、これじゃないですね・・・。もっとチョコレート色にしてほしい」と返されました(笑)。


そこで、色の濃いものの選抜、及び再度ブラックやブラウンの別の品種・系統を掛け直したのが今回です。


何とか黒木さんのイメージに近いものになったようでそれが返ってきた訳です。ほっと一息ですよ(笑)。

プラリネショコラ
プラリネショコラ
プラリネショコラ
プラリネショコラ

この品種、ブラックの強いものから、黄色が強いものまでの色幅となります。

プラリネショコラ
プラリネショコラ

黄色が強いものの中にはグリーニッシュのものもあります。


‘月あかり’よりも2回りぐらい小さめ。花色は月あかりにそっくりです。


♪ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さん。そんなことでええですのん?はいはい、これでええんです!

このお話をいただいた時にすぐに浮かんだのが「月あかり」と「ビターチョコレート」の2種を使うことでした。


「月あかり」という名前と花を見れば、これは雲一つない夜空に浮かんだ満月ではなくて、薄雲の夜空にかかる満月です。


その雲間からさす月あかり。いわゆる「月に叢雲」の景色です。


かたや「ビターチョコレート」はその名のとおり、チョコレート色の丸弁小輪のビオラ。4年前の作品展で展示したところ、注目を浴びてバイヤーの方からほしいとの声もありました。

その時のブログ⇒http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-10798151633.html

そういう目的もある展示会ですし、傍から見れば「これがほしい」と言われているわけですから作ればいいんじゃないかと思うんですが、何故か村富さんは固辞。なんとか存えている品種となってしまいました。


それ自体が残らなければその血筋をだけでも残したい・・・。


そんな時に来たのが「チョコレート色」のビオラの育成だったのです。もう、これは使うしかないですよね!


結果は月に叢雲の景色をチョコレートと混ぜて一粒大に。そして、化粧箱に一つずつきれいに並べることができたようです。


ただ、この色合いだけではソービター(とても苦い)。ご依頼人もそう思われたらしく、ここから出た変異株も持ってこられました(笑)。

プラリネショコラ

何と表現していいかわからない色目。


ライトブルーイエローフェイスベイン、一部グリーニッシュ?

プラリネショコラ

これもまた表現が難しい。


ブラウンフェイスベインビーコン?ブルーピコティもあり。

プラリネショコラ
イエローブルーピコティベイン、やや丸弁。
プラリネショコラ

ブラウンベイン、HF(ホースフェイス)


ゴールドっぽいブラウンでちょっと他では見ない花です。


ベインはどこから来たのでしょうね?もしかすると月あかりかもしれません。

プラリネショコラ

グリーニッシュブラウンの抱え咲き傾向。この色で抱え咲きはまだありません。期待大!!


何とか化粧箱に並べられるバリエーションを増やせそうです。もっと、女性の好みも取り入れた方がいいかもしれません。


チョコレート、チョコレートと書いていると、なんか、ブリーダーではなくてパテェシエになった気分です。(笑)


にわかパテェシエですが、頑張りますっ!!

親株リターン!社方育苗園さんから

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またまた、親株リターンです!まだ、続いています(笑)。


実は作品展の時にすでに帰ってきていたのですが、ようやく整理番号付け等することが出来ました。


今回のリターンは熊本は山鹿市の社方育苗園さんからです。


一昨年の作品展に来られて、試作したいとの希望。そこで種をお渡ししてその中から選ばれたものを持ってこられました。



作品展終了後、圃場見学に来られた方が、かなりの生産者さんの親株を預かっているのにビックリ!


「これ、ROKAさんコケたら皆コケるじゃないですか?」と、言われてしまいました(笑)。


実質的に生産分の採種を行っている方はわずかで、他は交配、及び固定化までの分です。


ブログでも紹介しましたが、今期は新しく始められた方が多いです。


ですから、大人数分になっていますが、今後は自分で採種されるようになっていくでしょう。そうなってもらわなきゃ!(笑)


さて、親株紹介しましょう!

ストライプ
ストライプ

ストライプA

大絞りです。絞り部分が大きいのでインパクトがありますね。

ストライプ

ストライプB

こちらも大絞り。花型がやや抱え気味。抱え咲きの絞りはまだありません。


どちらも交配で出ている絞りですので、再現性は高いと考えられますが確認はこれからです。とにかくこれは播いてみないと分かりません。

リバーシブル
リバーシブル

リバーシブル


はい、ひとまずリーバーブルです(笑)。今のところそれだけで、少々インパクトに欠けます。


さて、どうするか・・・。思案のしどころです。

ブルーブロッチ

ブルーパープルブロッチ


画像はブルーが強いですが、実物はもっとパープルを帯びています。


よく見ると上弁にかすれのような、絞りのような模様が・・・。


よくぞ見つけられました!!これも観察眼のたまものですね。


ただ、これも自家受粉で採ってみないとどのように変化するのか、また遺伝するのかわかりません。でも、期待は大です!!

バイカラー

ローズパープル&ホワイトバイカラー小ブロッチ


どう見ても見元さんの血筋ですね。種が紛れ込んでいたようです。


これは交配によって血筋は引きながらもガラッと変えていきます。

ベイン

イエローベイン


見事にベインが入っています。タイガーアイよりも一回り大きい花です。


ベインの交配系統ですので、再現率は高いでしょうが、これまた自家受粉させてみないと分かりません。


やっぱりこれくらいの大きさになるとインパクト大ですね!再現率が高いのを期待するばかりです。

ローズビーコン

ロースビーコン


渋め、濃い目のローズビーコンです。これはこれでいいかな・・・?


ただ、他の生産者さんにも同じようなものがあるので見比べながら違えていきます。

ホワイトピコティ

パープルピコティ


画像ではピコティーのコントラストがはっきり出ていますが、実物はもっとローズを帯びて覆輪(ピコティ)もあまりはっきりしません。


これはブロッチ覆輪ではなくて、本覆輪の系統です。


この画像のようにくっきりはっきり、より丸弁にするのが目標ですね。

極小輪

極小輪系


ライトブルーのHF。これはこれでいいので採種していきます。


他を混ぜずにした方が早くまとまるでしょう。

パステルSW
パステルSW

パステルセミダブル(SW)


これも明らかにおちあいけいこさんの血を引くものですね。


上弁2枚が増えていますが、正面から見ると一重に見えます。実は初期の八重咲きはこんなタイプの門が殆どでした。


ここから花弁数は少なくても八重咲きの見える(立体的な花型)系統に進化させたのがおちあいけいこさんの偉業なのです!


八重咲きの進化の過程を知ってるものにとって、この「立体的な花型」こそがおちあいけいこさんの八重咲きの特徴の一つの認識。だから、パクられればすぐに分かるんですよ。


ひとまず八重咲きの遺伝子はありますので、ここからおちあいけいこさんとは別の八重咲きへと進化させていきます。



と、市販品種の変異株も持ってこられましたが、その中に八重咲きになりそうなものがあるじゃありませんか!

ソルベSW
ソルベの系統。詳細は不明。

使えそうですね。市販品種の変異ですので、遺伝性があるかどうかはまだわかりません。


しかし、可能性が高いものを使うことが育種では大事です。

ペニーレッドブロッチ焼け
ペニーレッドブロッチ焼け
ペニーレッドブロッチ焼け

ペニーレッドブロッチ焼け


以前は廃棄処分になっていたものですが、“焼け”が認知されてからはこぞって拾われるようになりました。


ただ、これも遺伝性は不明。


「焼けの系統もほしい」とのことですので、これら個体を活用して焼けを進めていこうと考えています。

モークローズ小輪

スモークローズ小輪


系統不明。焼けのようにも見えます。


今のところ、どのように使うかは模索中ですが、何かうまい活用方法を考えます。

ソルベファイヤー

ソルベファイヤーの反転咲き傾向が強いもの。


反転咲きも‘モンロースカート’が認知されてからは、皆さん大注目ですね!

「手元を探せば結構ある」との声もよく聞きます。見えていなかっただけなんですよ(笑)。


あちこちから拾われているため、同じ反転咲きながら全く雰囲気が違います。今後一番広がりが期待される花型です。


ただこれも市販品種の変異のため、遺伝性は不明。あっても、伝わらない場合も多いです。


これもここから進めていきます。



さて、社方さん、これらの選抜親株を多くの方に見てもらったとのこと。


それぞれに意見(好み)が違うし、どれを残したらいいかかなり迷ったご様子でした。


また好意的な意見もあった反面、「笈川さん、コウロギさん、大牟田さんに比べればまだまだ」とも言われショックだったとのこと。


選抜されたのは社方さんですが、種を提供したのは私ですので私もショックです(笑)。


そのショックをバネにして頑張らせていただきたいと思います!


H26年度交配結果より ヌーベルバーグを使って

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昨年、今年と話題を読んだ江原伸さんの「ヌーベルーバーグ」。


その系統は実に多彩な表現を持った集団であり、貴重な遺伝子でもあります。特に「狙いじゃ出せない色」は特筆すべきものです。


「その貴重な遺伝子をどう次代へ繋くか」のテーマで行った交配が、前回紹介した「江原リスペクト!」となります。


これは江原さんの系統に現代の品種の血を再び入れる方法でしたが、その逆も行っていました。


つまりは市販品種、個人育種家の品種に江原さんの血を入れるという試みです。


交配では両親を入れ替えても同じようなものが出来ますが、母株の方の性質が伝わりやすい傾向がありますので、伝えたい形質は母株に持たせた方がいいです。


さて、その結果の一部をご紹介しましょう。

レモンソワール×ヌーベルバーグ
レモンソワール×ヌーベルバーグ
レモンソワール×ヌーベルバーグ
レモンソワール×ヌーベルバーグ

レモンソワール×ヌーベルバーグNO.8ホワイトぼかし


父親の形質が強く出ています。と、言うか父親とそっくり!


中間タイプになっていないので、母親と父親が逆で父親の自家受粉ならこういう感じかなとも考えました(悩)。


しかし、ラベルを何度見直してもこの記録だし、いくらなんでもまだ自分自身ボケてはいないと思います。ひとまずは観察を続けます。

レモンソワール×ヌーベルバーグ
レモンソワール×ヌーベルバーグ
レモンソワール×ヌーベルバーグ

レモンソワール×ヌーベルバーグNO.38ラベンダーぼかしピコティ


面長から丸弁にピコティの幅あり。おそらくこの組み合わせでは、こうなるのが正解です。

ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ

ミルキーウェイ×ヌーベルバーグNO.12ホワイトブルーピコティ


母親の‘ミルキーウェイ’は植田光宣さの品種。色幅のあるフリルにピコティの集団です。


結果はピコティも出ていますが、単色のものも出ています。典型的な「フェイス覆輪」の特徴です。

ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ
ミルキーウェイ×ヌーベルバーグ

ミルキーウェイ×ヌーベルバーグNO.11イエローブルーピコティ


母親は上記と同じ個体。


結果はイエローにブルーピコティ、これも父親の特徴が強く出ています。そして、こちらも上ほどはないですが、「フェイス覆輪」の特徴が出ています。


さて、育種では交配をするわけですが、初めての方はどのような組み合わせをしていいか分からない場合もあるでしょう。


そんな時の考え方として「重ねる」というのがあります。


つまり、ブロッチならブロッチ同士を、フリルならフリル同士を重ねる訳です。両親ともに同じ特徴を持っているので子供にはその特徴がほぼ伝わります。


つまりイメージがつかみやすい。


その伝わり方を踏まえて片方の親の特徴を少しづつ変えていくと徐々に“コツ”みたいなものがつかめて来ます。


では、上記の組み合わせは何を重ねたのお分かりになりますね?そう、「覆輪(ピコティ)」です。


ただ、覆輪には「本覆輪」、「フェイス覆輪」、「ブロッチ覆輪」の3タイプがありますのでこの見極めが大事です。


覆輪は同じものどうしでやらないとその特徴は隠れてしまいます。


これらの結果を見ますと江原さんのピコティは伝わりやすいと考えられます。


4番目の組み合わせは見事に覆輪が再現できています。ですが、雰囲気から言えば植田さんのようでもあるし、江原さんのようでもある。今のところ、可もなく不可もない状態です。


要はこれを踏まえて、組合せを変えるか、できた個体の更に別の覆輪(フェイス)を掛けるかという展開をしていかねばなりません。


江原さんの系統、やはりすごい遺伝子を秘めているように感じます。

虹色のパンジーフェステバル2015!

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さてさて、いよいよ下関市園芸センターさんで行われる「虹色のパンジーフェスティバル2015」が14日(土)から開催されます!


「虹色のパンジーフェスティバル2015」


日時:2015年3月14日(土)~29日(日)

場所:下関市園芸センター(〒759-6613山口県下関市富任町5-7-1

    ☎:083-258-0417

入園料:無料


詳しい内容はこちら


下関市園芸センター

⇒http://www.city.shimonoseki.lg.jp/www/contents/1103098763706/html/common/54ec0e59007.htm


担当者は内田祐介さん、趣味の園芸の「庭仕事、花しごと」の草花を担当執筆されています。


うっTと植物たち。

⇒http://blog.goo.ne.jp/kakusuko0628


全国各地で開催されるようになったパンジー・ビオラの展示会ですが、下関市園芸センターさんと他の展示会とはまた違っています。その違いの一つは「時期」です。


他の展示会では企画の関係上、寒い時期がメインになっていますが、こちらは春まじか。寒いとどうしての花上がりが少なめです。


ところが、3月の下旬になるとパンジー・ビオラの花が次々と咲き始めますので、その品種の本来のパフォーマンスを見ることが出来ます。


そして、もう一つの違いは未発表の品種の展示。


私の方からは冷蔵庫に眠っている系統の種を提供させていただきました。また、この展示会のための交配も行いました。その数100を超えています。


昨年の春はこの企画の交配のために死ぬ思いでしたよ(笑)。でも、それも皆さんに喜んでいただくため。それくらい頑張んないと喜んでもらえませんからね。


また、それを育てた内田さんをはじめスタッフの方々の努力も並大抵ではありません。その数1万株近くあるんですから!!


個人的はことを言えば、ここ数年のROKAの集大成を見ることが出来ます!(笑)そして、この集大成はひとまず今回のみ!もう体力がありません(笑)。


ね、これはもう、行くっきゃないでしょう!!


そして、女子アイドルグループの例えれば、他の展示会はステージメンバーがメイン。


こちらは研究生たちが多数です。まだ、ステージに立てない子たちですが、ここからスターが誕生するかもしれません。


そんな子たちをぜひ見つけてください。また、応援して(育ててみたい)というもののふの方がいらっしゃいましたら、ぜひ担当者の方に相談してみてください。やっぱり下関市、もしくは山口県の方に応援してほしいです!

ライラックベイン

‘ライラックベイン’


内田さんのブログで紹介してもらったブロッチ覆輪でベインでという極めてレアなパンジーです。


市販品種からの選抜。流通はないので、展示会でしか見られませんよ!


この様な私の圃場でも見れないようなものをいっぱい展示してもらっていま~す(笑)。


山口の春はここから始まります!虹色のパンジーフェスティバル、いよいよ、開幕です!!

晴れの国のサクラソウ ホースインホース

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まずは下関市園芸センターの「虹色のパンジーフェスティバル2015」。

いよいよ明日らから始まりです!


担当の内田さんがブログで紹介されていますが、画像でだけでもそのすごさが伝わってきます。


ありがたいことに私の未発表系(新交配含む)は別のホールで展示とのこと!


ひとまず仮名を付けた系統種子(未固定)を送っていますので、皆さんがイメージするものとは違う花が展示されていることもあるかと思いますが、それはそういう理由からです。


また、この展示の交配は全部の交配組みわせを公開しています。


これはいわば企業秘密に当たるので絶対に公開しないものですが、それをやっているのがこの展示会の凄いところ!(笑)


親を知っている方は、この組み合わせでこうなるのかととても参考になると思います。


とにかく凄い展示会です!お近くの方も、遠くの方も是非ご覧になってください!!


担当者の内田さんのブログ


うっTと植物たち。

http://blog.goo.ne.jp/kakusuko0628/e/929611e82f0a1a41921dbb70b80e566f



さてさて、話しは変わってプリムラの話題(笑)。


今年もKim農園さんからプリムラの親株が帰って来ました。


種を送って、Kimさんが親株を選んで送り返してまた交配して種を送る。パンジー・ビオラとプリムラの育種はKimさんとの共同作業です。


これで2回目です(たぶん)。回を重ねるごとに確実に進化しているのがわかります。


その中でもぐっと進化したのが「ホースインホース」タイプ。


「ホースインホース」と言うのはガクが花弁に変わって日本では「二段咲き」、「重ね咲き」と言われる花型です。


外国では人気のある花型ですが、これがどう言う訳か日本ではあまり顧みられません。


何故なんでしょう?個人的にはかなりそそられる花型なんですけど・・・(笑)。

ホースインホース

ホースインホースタイプ


一見しただけでは何がどうなっているのかわかりませんね。これが注目されない理由かも・・・。


でも、よく観察してみると、

ホースインホース
ガクの部分が完全に花弁に変化しているのがわかりますね。
ホースインホース

その為、蕾も緑色ではありません。


蕾の時期から華やかな感じ、この感じが個人的には好きなんですよ!

ホースインホース

花弁を外してみるとはっきりします。


右が花弁を外した状態。黄色のアイもそのままそっくり花弁に変化しています。と、いうか花弁そのもの。まあ、不思議!

ホースインホース
ホースインホース
ホースインホース

ホースインホース・チェンジングカラータイプ


3枚目の画像は花弁を外した状態。ガクも花弁と同じように色変わり。増々不思議!


面白いじゃないの!「このバリエーションを広げたらどうなる?」、「完全花弁化だからわかりにくいんだったら、もう一度ガクに戻してみたら?」、「もしかしたら、ガクと花弁が逆みたいにならないか?」

妄想が広がります。


で、バリエーションを広げようと通常の品種と交配してみたら、イメージに近いものが出ました!

ホースインホース
ホースインホース
ホースインホース

ホースインホース・ガクと花弁の中間タイプ


上から2枚目の画像は花弁。そして、3番目がガク。これなら違いがはっきりと分かりますね。


このガクと花弁の混じり具合最高です!!

ホースインホース
ホースインホース

ホースインホース・ガク花弁中間タイプ


大輪でもホースインホースにできました。これをステム立ちにしていけたら更に見事なものになりそう!


ね、絶対使えるでしょ?この遺伝子!


誰もやらなかったのが不思議。誰もやらないうちにやってしまいましょう!!ね、Kimさん!

H26年度交配結果より ベインを目指す

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菜種梅雨というのでしょうか。晴れたと思ったら又雨。天気が長続きしません。


雨が降ると外での作業ができません。交配しても付きが悪くなります。まだまだ、整理の途中なのに、ほんとに困る~。


おまけにこの雨では除草剤はかけられないわ、草取りもできないわで、雑草が伸びる伸びる。ストレスが溜まる溜まるでございます。


外での作業が出来ないので、撮りためたもろもろの画像の整理を少しずつ始めました。


交配結果のファイルを見ると今回は「ベイン」を多く播いていました。

えびす

えびす


冷蔵庫の中に眠っていた種を播いてみました。ベインの系統でしたが、ベインは出ていません。


過去のブログ。えびすのベインはこんな感じです。

http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-10376513044.html


ベインのしっかりしたものを選んでも再現が難しい。これがベインの難しい所です。

(えびす×レッドレパード)

(えびす×レッドレパード)後代


上記にベイン傾向のレッドレパードを交配した後代。なんとか、フェイスにベインの入ったものが出ました。


これも過去のブログ

http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11516131494.html


全く違ったものになっています(汗)。この画像とは違ったものから採種したのか、はたまた交雑か、種子混入か?


さ~っぱり、分かりません。困ったもんだ。(苦笑)

古日々

古日々(こひび)


現在の「古日々」は交配が複雑になったのであらかたのベインをここにまとめています。


本筋の「古日々」はこちら

http://ameblo.jp/pansy-tane/entry-11185574244.html


改めて見てみると、いい花が出ていたんですね。それが維持できていない・・・。


これは忙しさにかまけて、きちんと選抜採種してこなかった私の不徳の致すところですね。


で、再度仕切り直し。

(タ×(シャ×縄))
(タ×(シャ×縄))

〔タイガーアイ×(シャロン×縄文)〕後代


ベインはきちんとは出ていませんが、ベインの血筋はしっかりしています。上の個体はブロッチ部分が焼け傾向。


なんとかこの系統がありましたので、これをもとに再現を図っていきましょう。

×フリズル・イエローベイン
×フリズル・イエローベイン

〔タイガーアイ×(シャロン×縄文)〕×フリズル・イエローベイン


タイガーアイよりも大きい花になりました。セルフしてベインのはっきりしたものを選抜していけば大丈夫そうですね。

×フリズル・ローズベイン

〔タイガーアイ×(シャロン×縄文)〕×フリズル・ローズベイン

かすれていますが、後代選抜でベインがはっきりしてきそうです。

フリズル・イエローベイン×
フリズル・イエローベイン×

フリズル・イエローベイン×〔タイガーアイ×(シャロン×縄文)〕


上記逆交配。こちらの組みあわせの方が成績優秀です(笑)。目標とするものに近い!


これもセルフしていきます。


今回はこれだけの系統がありますので、相互交配も行います。固定化を図ると同時進行で変異も広げていかないといくら時間があっても足りません。



以下は新交配!

タイガーアイ×こももこべに
タイガーアイ×こももこべに

タイガーアイ×こももこべに


「こももこべに」の「こべに」にベインが見えたのがあったので交配してみました。


イエローとローズを交配するとこんな感じの色目。側唇弁にはベインが残っていますが、上弁は消えています。


やっぱり上弁に入れるのが難しいんですよ。


全面ベインが理想ではありますが、これくらいのベインでもこれはこれでいいですよね?

タイガーアイ×フェリックス

タイガーアイ×フェリックス


「フェリックス」はすでに流通がありません。側唇弁にヒゲがあるバイカラーの小輪ビオラです。


こちらは上弁にうっすらとベインが見えますが、ブラウンのため目立ちませんね。


でも、これはこれでいい感じ。


ベインはとにかくその特徴がある個体を拾って根気よく交配選抜をしていくしかありません。


行き当たりばったりや当てのない交配を繰り返しても絶対にたどり着けない境地です。


そして、ベインはパンジー・ビオラの一つの美の極致。

それなのに今まで作り出された品種の数はわずかしかありません。手間も時間もかかりますが、意外とこの分野、盲点かもしれません。

グリセバチアナ

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まだ開花宣言は出ていませんが、あちこちでソメイヨシノの花をちらちら見かけるようになりました。


すでにお隣の鹿児島、熊本では開花宣言がありましたので、宮崎ももうすぐでしょう。まさしく春になりました!


さて、パンジー・ビオラ界の大御所、早野雪枝さんから貴重な原種を分けていただきました。

グリセバチアナ
グリセバチアナ
グリセバチアナ
グリセバチアナ
グリセバチアナ
グリセバチアナ

ビオラ・グリセバチアナ

バルカン半島原産の原種です。ややパープルを帯びたブルーの花色。茎葉は無毛で横に広がります。


今回、よく観察してみると、「距(きょ)」が通常の原種とし違って長めです。この長さはコルヌータに似ています。


以前も分けてもらったことがあるのですが、だいぶ遅くそなってからでした。暑いくらいの気温のため、弱っり気味で、何とか採種はできたのですが、発芽せず絶えてしまったのでした。


今回は、まだまだ株が元気なので可能な限り採種したいです。

ドビュヤーナドビュヤーナ

ビオラ・ドビュヤナ


イタリアのアルプス原産。大きな花の原種です。夏越しをした株から採種して育苗したものとのこと。


これも以前分けてもらったのですが、グリセバチアナと同様で発芽に至りませんでした。


以前の花はもっと細くて小さいイメージがあるのですが、今回はコルシカと間違えるくらいにそっくりです。


コルシカ、ベルトロニーこれらは非常に似たグループで判別が難しいです。

ストジャノウィ
ストジャノウィ
ストジャノウィ

ビオラ・ストジャノウィ


バルカン半島原産の原種です。レモンイエローの極小輪、茎葉に産毛が顕著で横に這います。97年の種から育苗した株とのこと。


以上、3点を分けていただきました。


どれも貴重な原種で、まだ上の2種は本格的に育種には利用されていません。ですから、これは是非とも使ってみたいですね。


さてさて、原種ついでに私が維持している原種と原種同士の交配系統をご紹介!

ベルトロニー
ベルトロニー

ビオラ・ベルトロニー


外国から種子で導入したものです。ね、ドビュヤナと似ているでしょう?


個体差もあるのかもしれませんが、ベルトロニーの方が葉は細めで産毛が目立ちます。

比較

左:ドビュヤナ、右:ベルトロニー


画像では色目が同じですがベルトロニーの方がよりパープル味を帯びています。


ベルトロニーには唇弁にノッチと呼ばれるくさび形の切れ込みがあると資料には書かれていますが、あるようなないような・・・。それがはっきりと確認できません。


いやー、判別って本当に難しいですね。



以下が原種同士の交配。ストジャノウィ×アルベンシスの後代です。

ストジャアル
ストジャアル

ストジャアル Å系


白からブルーのチェンジングカラーの極々小輪。這性で葉には産毛があります。


この2種を交配したらこうなるだろなと、イメージそのものの系統です。


ストジャノウィとアルベンシスの交配ですから、まんま呼び名は「ストジャアル」としています(笑)。


原種同士の交配だからこれで固まるかと思いきや、さにあらず!F2以降違ったものが分離してきました!

ストジャアル
ストジャアル

ストジャアル B系


クリームホワイトの極々小輪。葉に産毛はほとんど目立ちません。這性ではなくやや立性。

ストジャアル
ストジャアル

ストジャアル C系


ホワイトからかすかにブルーのチェンジング、極々小輪。這性傾向、産毛は目立たず。ステムが長い。



これらの3系統、花は同じ感じですが株の形状が全く違います。原種同士の交配の後代なんですよ。それからの変化ってあまりないのが通常じゃありません?


でも、この時点でこれだけの変化が・・・。全く不思議!


でも、要はこういうことかと・・・。つまり、この変化の多様性が現在の品種の多様性に繋がっているですよ、きっと!


私の育種の原点はアルベンシス(原種)の利用。せっかく原種がそろったのですから、今回は原点回帰で交配に使って行こうと考えています。

スイセンの交配実生

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再びの寒さの襲来。花冷えですね。


さすがに宮崎市では氷点下まではいきませんが、コウロギノブコさんの五ヶ瀬町では氷点下まで下がったそうです。


先日の高温多湿に比べれば人は寒いですが、パンジー・ビオラのにとってはこれいくらいが一番。せめて採種の段取りが付くまで涼しくあってほしい・・・。それが一番の希望ですよ(笑)。


さて、パンジー・ビオラの手入れだけでも大変なのにその合間を縫って数年前からスイセンも交配を行っていました。


その交配実生がわずかですが、遂に咲き始めました!!

ラスベガス×オレンジペタル
ラスベガス×オレンジペタル

ラスベガス×オレンジペタル


「ラスベガス」は品種名ですが、「オレンジペタル」はたぶんラベル落ちで品種不明。


とにかくスイセンに関しては素人ですから、正式はまったく狙う気はなくその時の思い付きで・・・。とにかく、今ある分類の枠を超えて同士の交配を試みることだけは決めています。


不謹慎ですが、ぐっちゃぐっちゃにしてみたい(笑)。


今のところ結果は、まあ普通の花って言えばその通りですね。でも種から咲いた花は嬉しいもんです!これを使ってまたスタートです!

パルマレス×ピンクチャーム
パルマレス×ピンクチャーム
パルマレス×ピンクチャーム

パルマレス×ピンクチャーム


蕾が開いた時に「うわー、やった!」と思わず声を出してしまいました!


スイセン協会の方々にしてみれば、こんな駄花に何言ってんだと怒られるかもしれません(笑)。


でも、こんな感じがほしかったんですよ!


スイセンの花型で一番好きなのはスプリットコロナ。何故か、この花型に惹かれます。きっと「整形」ではないからですね。


思えば、パンジー・ビオラでもそう。でなきゃ、八重咲きの発生由来なんて見つけることはなかったし、切れ弁咲きも拾い上げることはなかったでしょう。


スイセンも外国から入ってきた花。当然、その美の基準も一緒にです。


これまで美の基準と共に多くの植物が外国から導入されましたが、最近それらの多くが日本の美の基準での育種が進んでいます。


「歪み」、「乱れ」、「狂い」。もうそろそろスイセンもこっちへシフトしてもいいんじゃないでしょうか?


スイセンは賞を狙う訳でもなく、個人的な範囲で楽しみたいと思います。


「新しいものはカオス(混沌)から生まれる」


どなたかの言葉ですが、この言葉が頭の中でリフレインしています。


ひとまずは皆さんのご迷惑にならない範囲で、スイセンをカオスしてみたいです。新しいものが生まれることを期待して!

和プリムラ!

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年度末ですね。何かと忙しくてブログの更新もままなりません。と、明日からは新年度じゃあ~りませんか!時が過ぎるのは早いもんです(笑)。


さて、パンジー・ビオラだけでなく、最近はプリムラも交配を行っています。


前々から言っていますが、目標は最初から決まっていて「日本サクラソウ」みたいな風情を持ったプリムラです。


まずは「ステムを立てる」ことから始めなければなりません。現在の品種はアコーリスタイプばっかりですから。


それに再度プ・ジュリエ、プ・ベリス、プ・ブルガリスの原種との交配を試みました。行き詰った時には「原種に返れ」ですから(笑)。


また、プ・エラティオール原種系の品種、古品種の‘ゴールドレース’も使いました。「古品種にも戻れです」からね(笑)。


これらの原種、古品種を相互に交配。それと現在の種苗会社さんの品種、諸先輩方のアコーリスの品種の中にあるわずかなステム立ちの個体を拾い上げて交配を試みました。


現在はそのステム立ちタイプの同士の交配にシフトしています。


種まきにご協力いただいた生産者の方々のおかげで、ようやくそのイメージが具体化してきました。

その昨年の株を地植えにしたところ、かなりの株が残り花が咲いてきています。

地植え
地植え

地植えの状態。


盛りをわずかにすぎました。かなりの大雨が降ったのですが、ほとんどの株で花に異常なし。これは原種の血が再び入ったせいかもしれません。


ただ、バッタの幼虫が孵って食害が始まっています。

ジュリエ

プリムラ・ジュリエ


アコーリスタイプの原種です。


原種なんて入手が難しいと思われがちですが、園芸店の山野草コーナーで「深山サクラソウ」の名前でよく販売されているのがこれ!

ノーマルタイプとホースインホース(二重咲き)タイプがあり、「ロゼア」と間違って販売されていることもあります。

ジュリエhyb
ジュリエhyb

ジュリエ交配種。


原種のジュリエの形質が強く出ている個体群。簡単に言えば「ステム立ちのジュリエ」でしょうか?


何も説明がなければ、原種そのものと勘違いされるかもしれません(笑)。


花は1.5cm前後の極小輪。極小輪系はまだほとんどありませんので、新しい分野になりそうです。

ブルガリスhyb

ブルガリス交配種。


ブルガリスの形質が出ている個体です。原種自体の花色はプリムローズでアコーリスタイプ。


この原種を使うと花付はよくなる半面、葉っぱが大きくなる傾向が見られます。花のピコティーはゴールドレースから来ています。

エラテhyb
エラテhyb

エラティオール、ベリス交配種。


原種はどちらもステムが立ちます。ですからステムを立たせたいならこれを使うのがベスト!


サカタさんの「アラカルト」はプ・ベリスの血を入れた交配種ですが、園芸種と交配してもすぐすぐあんな感じになるもんじゃありません。


画像はそのアラカルトにそっくりですが、実物はもっと花が小さく、丈も低いものです。


これをもっと理想形に持っていこうとするとアラカルトになっていくんだと思います。

ゴールドhyb
ゴールドhyb

ゴールドレース交配種。


ゴールドレースは様々な系統品種がありますが、使ったのは原初タイプに近いものです。


原初タイプは極小輪で一茎の輪数も少なく、葉っぱとのバランスもあまりよくありません。でも、その素朴さがいい感じ!


最大の特徴の「覆輪(ピコティ)」はよく伝わり、現在のピコティの多くの品種はここに由来すると考えられます。

上の個体を見てください。


イエローとパープル(ローズ)の交配ではパープルの色をイエローが隠しているような色の発色傾向があります。

ジェシカhyb

ジェシカ交配種。


‘ジェシカ’は銅葉の品種で、様々な色があります。形質ではアコーリスからステム立ちが混ざっています。当然、使ったのはステム立ちの個体。


銅葉は生育が遅いので葉も大きくならないのですが、それを利用して葉っぱを小さくするにはジェシカを使うと効果的な気がします。

不明

系統不明になってしまった個体。


花色は淡いラベンダー、完成品ではありませんがその雰囲気に何かしら惹かれる個体です。

園芸種hyb

園芸種交配種。


外国の品種の血を強く引く個体。日本サクラソウの雰囲気ではないですが、これはこれで魅力的です。

大輪系
大輪系
大輪系
大輪系

大輪系。


3.5cm前後の大輪で、かすれた感じのいいな花色のものが出ています。が、茎が太い。


ステム立ちが出来たら、今度は茎を補足することを始めなければなりません。この特徴を変えるだけでぐっと雰囲気が変わるのが不思議です。


で、イメージに近いものがこちら!

渋系

渋系です。


茶ベージュ?表現が難しい色合いですが、これが何とも言えず魅力的!

渋系
渋系

こちらも渋系。

これもローズをイエローが覆っているような発色!いい色合いです!


茎も細くて桜弁の小輪、おまけに葉っぱも大きい。


ね、だいぶ日本サクラソウに近づいてきた思いません?



育種とはこの一株を求めるために交配を繰り返すことかもしれません。


この一株で「日本サクラソウをプリムラ・ポリアンサで再現する試み」はぐっと具体性を帯びてきました!!


ヤマシャクヤク

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花咲くころの憂鬱・・・。


毎年のようにこの時期は憂鬱です。


年度末の忙しさの疲れが出始めるころ、一気に気温は上がるは、カビは生えるわ、交配採種はスムーズにいかないわで、イライラを通り越してすっかり気がめいってしまいます。


おまけに今日は何と今年初めての宮崎、沖縄で30度越えの真夏日。


この気温になるとパンジー・ビオラは目に見えて弱ってきます。採種できていないのに・・・。ね、気がめいるのがお分かりでしょう?(弱笑)


そんな時は気分転換。ヤマシャクヤクを眺めていました。


最近はシャクヤクにはまり、特にヤマシャクヤクの楚々としたたたずまいに惹かれています。

ヤマシャクヤク
ヤマシャクヤク

ヤマシャクヤク


日本に産する白花の原種です。綺麗に丸みを帯びた花の形が美しく上品ですね。


繁殖は実生と株分け。その為、個体差があります。


基本、一つお店で販売されているものは株分けですのでクローンですが、お店が違うと元の親株が違うみたいで別々の店で買ったら違うものがそろいました。

ヤマシャクヤク
ヤマシャクヤク

ヤマシャクヤク・淡黄タイプ


上個体とは別の店で買ったもの。蕾が淡く黄色を帯びています。この花色も上品!

ヤマシャクヤク
ヤマシャクヤク
ヤマシャクヤク

ヤマシャクヤク・花弁皺タイプ


上記2種とは別のお店で買ったもの。またまた違う個体です。


花弁に皺があり、葉の表面もでこぼこしています。


ヤマシャクヤクは花弁に皺がなく、花型が綺麗に整ったものが良品とされます。と、この基準で行けば淘汰されるべきもの。


でも、個人的にはこんな乱れた感じが好きです。それは「これから」を見てしまうから。


つまり、整った花型はそこが終点ですが、乱れた花は終点が見えない。ここからの交配選抜はどんな感じにでもなりうるんじゃないか。ついついその視点で見てしまう自分がいます。


でも、パンジー・ビオラは3か月で結果が出ますが、こちらは4~5年はかかる。ふと我に返る自分もいます(笑)。

ベニバナヤマシャクヤク
ベニバナヤマシャクヤク
ベニバナヤマシャクヤク

ベニバナヤマシャクヤク‘炎’


これも日本に産する原種。ローズ色の花色は濃淡があり、選抜されたものに名前が付けられています。


これは‘炎’という選抜種。


ヤマシャクヤクに比べると軸も赤みを帯びていて大柄です。流通がまだ少ないのでヤマシャクヤクの3倍くらいの値段がします。

糸葉
糸葉
糸葉
糸葉

糸葉(細葉)シャクヤク


日本産ではありませんが、こちらも原種。葉っぱが細めなのでこの名前があります。


鮮やかなローズ色、いえボタン色といった方がいいかもしれません。(笑)


ラナンキュラス、アネモネもキンポウゲ科。この科の植物には鮮やかな色が多いですね。不思議です。


豪華な園芸種もいいですが、やはり原種もいいですね。


憂鬱な気分から抜け出すべく、楚々とした花色、鮮やかな花色を見つめていたのですが、この真夏日。


あっという間に開いて散ってしまいました。わずか3日の開花です。


この潔さ、さくらを超えました(笑)。


ダメなものはダメ、交配も採種も・・・。気持ちの整理を付けて以降の採種に取り組みたいと思います!

今年の交配結果より ブロッチ覆輪を目指す

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雨、雨、雨・・・。もう結構でございます(笑)。


庭植えのスイセン、交配できません。パンジー・ビオラ、プリムラ交配して結実しているものにまでカビ。


通常は花弁にカビ、結実まで行ったらそこからカビることは少ないのですが、今年は未熟の蒴果までもかびています。


苦労して交配して結実もして途中でダメになるのを見ているのはかなり精神的にきついものがありますね。


薬剤はオルトランは使いますが、耐病性の選抜のために基本薬は撒かないことにしています。性質の面ではそれくらいしかできませんので。


対処としてカビた部分を取り除くのみですが、それが間に合わない。取り除いてもまたカビと今回はかなり強烈な選抜になりそうです。


数日前に平塚さんとも話しましたが、「年々気候変動のために採種が難しくなってきていると感じる」とのことでした。同感です。


種が少しでも採れれば、血は繋がりますのでそこのみに期待。ダメなものはダメで~す(笑)。


さて、交配結果の続き。今回はブロッチ覆輪を目指した交配。と、言ってもその精度を高めるための交配です。


ブロッチ覆輪とはブロッチが上弁にまで広がって覆輪になる模様。


作り出すのにはかなりの手間がかかりますが、その分そのは花は見事!工芸品のような花はパンジーの一つの美の極致です!!


画像は開花初期のもの。現在は連日の雨で実に哀れな状態です。

うず潮×黒潮
うず潮×黒潮
うず潮×黒潮
うず潮×黒潮

うず潮×黒潮


‘うず潮’は鈴木章先生作出のパンジーの銘花と言われているブロッチ覆輪の品種。


‘黒潮’は私の作出のブロッチ覆輪。先生のうず潮のあこがれて作出を試みたものです。


「うず潮」は入手したくてたまらなかった品種です。それが、とある種苗会社から生産者向けに販売されることになり、感激して注文したのですが、トラブルが生じた様で販売中止の連絡。残念でなりませんでした。


これで入手の道が絶たれたと思ったので、ならばと自分で作り出そうと取り組んで出来たのが「黒潮」です。


販売中止がそのきっかけになった訳でこれはこれでいいんですが、実はこの「うず潮」の件は終わりではありません。


生産者向けの分は販売中止だったのですが、個人向けに絵袋での通信販売があったのです。


生産者向けは中止なのに個人用は販売とはなんか変?!


実際播いてみると咲いたのは別の花。そう、この絵袋の中の種子は「うず潮」とは別のものが入れられていたのです。


絵袋に記載とは違う種子を詰めることは信用に関わる大問題。だって「偽装」ですから!


で、この種子を買って播かれていた一人がパンジー・ビオラ界の大御所、鈴木先生の直弟子の早野雪枝さん。


うず潮とは似ても似つかない花が咲いたことに憤慨して販売店に「これはうず潮じゃありません!」と苦情の電話を掛けたという・・・、これがいわゆる「うず潮事件」です!


偽装も大問題ですが、個人的にはこちらの方が大問題と思います。


だって、演歌界に例えると北島三郎御大を怒らせた様なもんですから。(笑)


で、これがおちあいけいこさんの「八重咲きもろパクリ事件」に繋がっているという展開が・・・。面白いですよね。


もし、これからパンジー・ビオラのついてのことを書かれる予定の方がいらっしゃいましたらこんなエピソード?も散りばめておくと面白い内容になると思います(笑)。


さて、閑話休題。


どちらの品種もある程度は固まっているんですが、更にブロッチの安定と株のまとまりを目指して交配しました。。


見てお分かりのとおり、上弁にブロッチを安定させるのが難しい。親株を厳選しても上弁にブロッチの入らないものが分離します。


ブロッチが出ても花弁近くまで大きく広がっていないと覆輪に見えません。また、そのブロッチと地色の境がぼけておらずはっきりとしている方が美しく感じます。


なかなか性質が固まらず、美の基準が多いので苦労するんですが、やっぱり苦労した分だけの花にはなります。(笑)

黒潮×うず潮
黒潮×うず潮
黒潮×うず潮
黒潮×うず潮

黒潮×うず潮


逆交配です。逆もまた真なりといいますが、可能性を探るためにも余裕があればやっておいた方がいいですね。


ほとんどの場合どちらを種子親にしても同じような結果になりますが、場合によっては違う結果になる場合もあります。


今回の場合は黒潮を種子親にした方がブロッチ覆輪はよく伝わったようです。


4番目の個体が最高ですね。


今後は2つの交配の最良の個体のセルフ、相互交配でそれぞれ系統分離していきます。そして、さらにそれらを組み合わせていく・・・。


何本もの糸を撚り合わせるようにして、ブロッチ覆輪を高めて行くわけです。

今年の交配結果より 酒呑を使って

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何とか、雨の山場は越した感じの宮崎です。天気も安定してきそう・・・、そう願いたいです!


薄日ながらも雨じゃない天候のありがたさ、身に沁みます!空気も洗い流されてさわやか。


正直、あまりの無残さに圃場に入りたくありません。しかし、無残な分だけ気持ちの整理はついて、どうしようもないものは、多分に「さよなら」できました。


スペースが広がると気持ちもその分晴れて来るから不思議!結局、抱え込んでいるのが気持ちが滅入る原因だったんですね。


「出会いがあれば別れがある」。


残念ながら種採れなかったものも多々ありますが、その印象(イメージ)はしっかりと残りますので再び作り出すことも可能でしょう。黒潮のようにね!


さて、交配結果の続き。今回は‘酒呑’を使った結果です。


とにかく酒呑を進化させたいといろいろやってみました。

酒呑×オレンジブロッチ
酒呑×オレンジブロッチ

酒呑×パンジー・オレンジブロッチ


オレンジは出すのが難しい色で、大概イエローになってしまいます。ですが、普通とは違ったイエローになるので、使うと面白いです。


酒呑はブロッチ焼け、父親もブロッチですのでブロッチが伝わっています。で、焼けは劣性なので焼けていません。


こうなるだろうという結果のとおり(笑)。


下の個体は色目が酒呑です。後代ではばらける色ですが、こんな感じのブロッチはいいですね。焼けが出ない方がいいですが、F2では分離してくると思います。


F2を見て方向性を決めることにしましょう。

酒呑×ビターチョコ

酒呑×ビターチョコレート


ブルーブラウンに焼け、色合いがビターチョコレートの子供だなと分かる個体です(笑)。


劣性の焼けがF1で伝わっている個体。なんか面白くなりそうですね。

酒呑×マトリックス・サンライズ
酒呑×マトリックス・サンライズ
酒呑×マトリックス・サンライズ

酒呑×マトリックス・サンライズ


これもこうなるだろうなとの結果(笑)。大輪の焼けを目指しての交配です。F2で焼けは分離してくる予定。


交配はF1で結果を出す組み合わせも行いますが、F2での結果を求めての組み合わせも行います。


将棋ほどではないですが、経験を積んでくると先手を読むこともできるようになります。

酒呑×雪うさぎ
酒呑×雪うさぎ
酒呑×雪うさぎ
酒呑×雪うさぎ
酒呑×雪うさぎ

酒呑×雪うさぎ


雪うさぎの花型、ブロッチになりました。ただ、最後の個体は混入かも・・・。


意外とありそうでないのが、小輪のブロッチ。色も意外と分離しましたし、これは新たな一群で行けそうです。


ブロッチの焼けが出ればこれは最高ですね!


この様にF1で方向性が見えるものもあります。で、セルフをする。F2で再現率を見ます。ここまでの見極めが大事!高ければ早くまとまる可能性が大です。


こればかりは種を播いてみないと分かりません。

デルタ・ピュアオレンジ×酒呑
デルタ・ピュアオレンジ×酒呑
デルタ・ピュアオレンジ×酒呑
デルタ・ピュアオレンジ×酒呑

デルタ・ピュアオレンジ×酒呑


クリーンとブロッチ(焼け)を交配するとブロッチが崩れたり、髭になったりします。


結果は予測通りにごく普通の花になってしまいました(笑)。


だったら何でこんな組み合わせしたの?


ある程度予測はつくけど、それはあくまで予測。やってみないけりゃ分からないんです。もしかすると予測が外れるかもしれない(笑)。


進化させるために、あがいていろんな組み合わせをやっています。そのあがきから新しいものが生まれるんです、きっと(笑)。

今年の交配結果より 黒潮ラッフルを使って

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天気は良好、若葉風が吹いて湿気がないのでなお結構。息も絶え絶え状態の株からもう最後も最後の種取りをやっています。


と、天気が良かったのではかどるかと思いきや、急きょ、地区の役員の方から実家の耕作放棄田の草払いをしてくれとの要望。


なんでも放棄して荒れた状態では補助金?が降りないので困るとのこと。


実家の地区でも灌水事業の圃場整備が進み、各田んぼに蛇口がついてひねれば水が出る状況になってはいますが、それに掛からない場所もある訳で・・・。


今時、川からポンプで水をくみ上げてまで稲作をする人なんていません。そんな使い勝手が悪いところから耕作されなくなり、借り手も居ず、売れもせず、荒れ果てていくという流れです。


もう、私も手が回りません。


施設園芸をやっている幼馴染もいますが、言うことは同じ。


一日がかりで、腰の丈のくらいの葦や雑草をなんとか刈り上げました。後は刈った草を燃やせば、トラクターで耕してもらえることになったので、その後は除草剤で抑えていくしかありません。


夕方、圃場を見れば湿気がないので種が爆ぜてる・・・。取れる分だけはなんとかとりましたが、何でこんなに忙しいのでしょう。


もう、手が回りませ~ん。ちょっとぼやかせてもらいました(笑)。


さて、気持ちを変えて交配の続きです黒潮ラッフル使った結果です。


黒潮ラッフルは、黒潮から分離したブロッチ覆輪でラッフル、リバーシブルの個体です。名称そのまんまですね(笑)。固定はしていません。

レッドラッフル×黒潮ラッフル
レッドラッフル×黒潮ラッフル
レッドラッフル×黒潮ラッフル

レッドラッフル×黒潮ラッフル


レッドラッフルは品種名不明の個体。上弁までにかすかながらベインが広がった個体と記憶しています。


おそらく、ファーメン社の一品種ではないかと思います。


で、結果はリバーシブルにはなっていますが、ブロッチ覆輪かどうかは微妙。


フリルが強い点は魅力ですが、果たしてブロッチ覆輪とのコラボがいいかどうかは微妙。ブロッチ覆輪がよく見えません。


やっぱり何でも合わせればいいってものじゃないし、組み合わせ方をよく考えなきゃいけないってことですね。

ローズラッフル×黒潮ラッフル
ローズラッフル×黒潮ラッフル
ローズラッフル×黒潮ラッフル
ローズラッフル×黒潮ラッフル

ローズラッフル×黒潮ラッフル


このローズラッフルも品種名不明。レッドラッフルよりは上弁のベインが鮮明だったように記憶しています。


おそらくこれもファーメン社の一品種でしょう。


色味は違いますが、上記交配とさほど違いはありませんね。

雅夢×黒潮ラッフル
雅夢×黒潮ラッフル
雅夢×黒潮ラッフル
雅夢×黒潮ラッフル

雅夢×黒潮ラッフル


雅夢はドリームワンダー×ペニーレッドブロッチの交配後代。上弁に広がるブロッチもありますが、未固定で色目も幅があるのでどの個体を使ったのか不明。

ブロッチはしっかりと伝わっています。


フラット×ラッフルの場合はフリルに強弱の幅が出ます。ですから、どれを選ぶかが重要になってきます。



この結果から、黒潮ラッフルのフリルはよく伝わりますし、ブロッチのよく伝わることがわかりました。


要はこれらをどう組み合わせていくかですね。


一年に一回だけの交配(修正)ですから、いろんなデーターをもとに交配組み合わせを考えていかねばなりません。

今年の交配結果より 宿根系で

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昨日のニュース。野菜の価格高騰を伝える内容で、その原因が天候不順で日照不足。


4月の日照は平年の半分だとか、施設園芸の取材でしたが実が太らない、そのうえカビの被害が出始めている状況でした。


私も20年以上、やっていますがこんなにカビがひどくて採種できないのは初めての経験。


まあ、その原因を知っても今更どうすることもできないのですが・・・(笑)。


ともかく、対抗手段としてはこの時期になる前に「前倒し」でやるしかないようです。これも経験、長くやってりゃダメなときもあります。次回、頑張りましょう!


さて、交配結果の続き。


すぐに結果に結びつかないのであまりされていないのが、原種や、宿根系を使った交配です。でも、ここも大事な交配だと考えます。

コルビネ後代
コルビネ後代

コルビネ後代


‘コルビネ’は「宿根ビオラ」の名称で流通している品種。クリーム地にラベンダーのベイン(ストライプ)が入る花です。


栄養繁殖(挿し芽)のため、種子的には固定されていませんので、種を播くといろんな花が咲きます。


コルビネから数代目のこの個体は、コーソン系とそっくり。


コーソン系は宿根系を種子で維持している系統ですので、同じものになっても当然といえば当然ですね。


画像を見ても普通のビオラとは血筋が違うことが一目瞭然です。

エタイン実生
エタイン実生

エタイン実生


‘エタイン’も宿根ビオラ系です。クリーム地に淡いブルーの覆輪の丸弁の花。


そのセルフは、親と同じものも出ましたが、多くは4.5cmぐらいのレモンイエローの濃淡の花になりました。


この結果を見ると、どうやらこの品種の育成には大輪の個体が使われているようです。


親と同じものが出ていますので、それを拾っていけば種子でエタインの再現も可能になるでしょう。


もちろん、大輪を拾って行くことも可能ですが、大きいとそれは日本人の感覚からは「パンジー」になってしまいます。4cmを超えるともうパンジーのイメージですね。

ホワイトバタ×コルヌータアルバ
ホワイトバタ×コルヌータアルバ
ホワイトバタ×コルヌータアルバ
ホワイトバタ×コルヌータアルバ
ホワイトバタ×コルヌータアルバ

ホワイトバタフライ×コルヌータ・アルバ


‘ホワイトバタフライ’はおちあいけいこさんの品種でコーソン系の血を引くホワイトのスターラッフルの美花です。


コルヌータ・アルバは多年草の原種です。


一見、交配できていないように見えますが、フリルが弱くなっている点と株が横張(ホワイトバタフライは立性)になっているので交雑しています。それに遅咲きでした。


遅咲きのためにまだ株に勢いがあり、この時期が満開です。



最近、特に生産者の方の方がパンジー・ビオラの育種に取り組み始められています。


その際にきまって話題になるのが、栄養系のパンジー・ビオラです。そのような品種もすでにありますしね。


種子で固定に持っていくと時間がかかるので、挿し芽で増やせば効率的と皆さんお考えになって作出法の問い合わせもありました。


まず、繁殖の面から言えば系統や個体で差はありますが、パンジー・ビオラとも挿し芽は可能。


この園芸植物の成り立ちを紐解けば、ヨーロッパに自生する一年草もしくは多年草の原種が複雑に交雑されて進化してきたのが「パンジー」であり、そのパンジーに再度多年草の原種が交配されて進化したのが「ビオラ」です。


ですから、ビオラの方が挿し芽の効率は高く、株も残りやすい傾向があります。


そこで宿根ビオラの品種や多年草の原種を使えば繁殖率のいい系統の作出は理論的には可能です。コルヌータ・アルバを使った交配なんて可能性大ですね(笑)。


でも、そんな株が出来たとしてもネックは親株の維持なんです。とにかく、日本は暑すぎて株が弱るのと、病気、害虫との戦いが待っています。とにかく手間が大変なのです。


暑さに関しては原種のコルシカが比較的強いとされているので、利用すれば丈夫になって来るかもしれません。


株の性質は何とか進められても、問題はやっぱり「花」でしょう。これだけ多様な花があふれかえっている中で、そこまでしても残したい花かどうか。花も今以上のものをデザインしていかなければならない。


種子を播けばそこには「進化」がある。栄養繁殖はそこで進化は終わり。


性質を改善し、花も高めていく。


果たして、栄養系は効率がいいのかどうか・・・?


そこが思案のしどころかもしれません(笑)。


でも、そこはまだまだ誰も本格的にやっていない交配ですよね。


先はまったく見えないです。見えないからこそ取り組んでいる交配でもあります。

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