いやー、来ましたねえ~。世界滅亡の日じゃなくて、クリスマス寒波。
北部九州は雪。だいたい九州全体が雪でも宮崎は晴れなんですが、その分冷たくて乾燥した風が吹きます。
干しダイコンや千切り大根はこの風のお陰で良質のものができるのですが、やっぱり人間にはきついですね、この寒さ。
さて、パンジー・ビオラ、生産者の方の親株の選抜はほぼ終わり。これからは記録と整理。そして本格的に採種に入ります。
あと、作品展もあった。来年もまた行う予定ですのでその品種の整理もありました。作品展の日時については正式に決まったらご報告しますね。
さて、今回始めて私の品種の試作をしてくれた宮崎市の吉村農園さんからこんな画像が届きました。
市販品種の中から変わり物が出たとの事です。
さてさてどんな花が出たかと言うと・・・、
マトリックス・レッドウィング
その上弁3枚花です。1、2番花が上弁3枚になっています。
3枚になるものは最近は良く見られますが、結局その花だけで以降の花が普通に戻ってしまう場合がほとんどです。
ですのでこれ以降の花を見てください。以降もそのようなものが出るようであれば形質的は安定してることになります。で、セルフで採種しましょう。
また、良く見ると2番花は中心から小さな花弁が出ています。こうなると八重咲きになる可能性も秘めていますね。
とにかく以降の花を見てください。
マトリックス・オレンジ
前回、東京のMさんの報告にあったようなローズフォルムですね。
これも以降の花がどうかです。
何かの障害で花が十分に広がらない場合があり、この様な花型は以降は元に戻ってしまうことが多々あります。
観察、観察です(笑)。
さてさて、今回一番すごいのがこれっ!!
ピーチシェードのダブル、完全な八重咲きです!
それが2株も出ています!
株の張りは今一つですが、花はミヨシさんのフェアリーチュールと同程度の見事さ!また、色合いもいいですねえ。
2輪目や蕾を見るとそれ以降の花も八重~半八重咲きになるように思えます。
で、この様な株を発見した時にどうするか?。
繰り返し言ってますが、まずは自家受粉ですね。その特徴を引き出す交配をしなければなりません。
でも、これは見事な八重なので花粉が取れそうにありません。
であればどうするか?
他の株の八重咲きで花粉が取れそうなものを探します。それがない場合には花弁が崩れたようなもの、1輪でも八重咲きになったものから花粉を取って交配しましょう。いくらかでも高い確率にかけましょう。
もし、それで種が取れたらラッキー。播いて八重咲きが出たらラッキー。一重でもがっかりしないでその子供(孫)まで様子を見ましょう。孫の代で分離することがありますので。
ね、目を凝らせば市販種の中でも変異を見つけることが出来るのです。極端な事を言えば市販品種のかわりものを集めて交配すれば、個人育種家の品種を使うことなく新たな系統を作出することができるのです。
それに種苗会社の最新品種。早咲きや冬の連続開花性、多花性を兼ね備えていますのでその遺伝子を系統に取り入れることができるのです。ね、どこからでも出発できるんですよ。
さあ、吉村農園さん、こんな花を見つけられたということは、すでにそんな眼をお持ちと言うことですね。
「山野草マニアックス」がかなりお役に立っているようです(笑)。
これからどんどんその違いを見分ける目を磨いていきましょう!頑張ってください!!
さて、出荷はほぼ終わったようですが、とよた花菜工房さんでも私の品種を紹介されています。よろしければご覧になってください。