プリムラの進化は花だけではありませんで、萼の部分の変化もあります。
この萼の部分が花弁に変化したタイプのものは「ホースインホース」と呼ばれて、外国では人気ですがなぜか日本では興味を持たれずにこのタイプの育種は進められていません。
なにせ人がやらないことならやってみたいという性分。で、やってみるとこれ面白くてたまりません!(笑)
これも実はKimさんの系統。これも昨年絶えたかと観念したのですが、わずかに種が採れて再現できました。
何とかお返しすることが出来ますし、また進化させることも出来ます。
‘台(うてな)’
「台」と書いて「うてな」と読みます。「うてな」とは「ものの下地となるもの」との意味で、萼をそれに見立てました。
萼が見事に花弁に変化していますね。
パソコンが壊れてデーターが飛んでしまいましたが、だいぶ前にホームセンターで販売されていた「ホースインホース」に市販品種を掛けて再び花弁を再現した系統だと思います。
この2株がKimさんから返ってきた親株の本系統。わずかに2株です。でも、1株でもあれば大丈夫!何とかなります!
で、それを使った交配もやっておりまして、こちらもわずかに苗が出来ました。
‘春の台(はるのうてな)’
前出の系統に前回で紹介した「プリムローズ色で花弁が元部まで裂ける個体」を交配したものです。
萼の花弁の再現率は約半分ですね。色幅が広がりました。
何でこの組み合わせを試みたかと言うと、花弁が大きすぎてせっかくの萼の変化が見えない。花弁が本部まで裂けたら萼が見えるんじゃないかと考えた訳です。
でも、そうそううまく行くもんじゃありませんね(笑)。
花弁の一部が裂たものが出ましたが、それは普通の萼の個体でした。
系統で選抜すれば、きっとそんな個体も出てくるはず。萼が花弁で、花弁が元まで裂けたら八重咲きのようにボリュームが出るんじゃないでしょうか?
ひとまず遺伝子は仕込んだので、これからですね。
一番下の画像は枯れた花弁を取り除いた萼だけの花。
花弁は枯れても萼は残る・・・。と、言うことはこれ切り花に使えます!
もっとステムを長く、ステムを堅くすればそれもきっと可能です。パンジーとプリムラの組み合わせ。春のちっちゃなブーケが出来ます!
いっそのこと、花弁なくして萼だけにしましょうか、切り花用に!(笑)。
プリムラ、まだまだ進化できますよ!