原稿をようやく発送しました。締め切りは今月末なのですが、最終日が土曜日なので30日着となります。たかが1日ですけれど、こんな時は1日の重みを感じました。
ほっと一息つく間もなく作業が目いっぱい詰まっています。採種、記録、交配をやらねばなりません。
特に今回は依頼採種があるので量も取らねばなりませんし、自然交雑もしないようにと、これが気を抜けませんよ(汗)。
と、並行して次回の原稿書きも進めていきます。とにかく、少しずつでもやっていくしかないのです(笑)。
さて、記録と画像が徐々に整理できています。
同じ種子親で花粉親を違えた場合の交配結果がありますので今回はそれをご紹介しましょう。
なかなかこんな風に比較してみる機会がないのでとても参考になると思います。
種子親は‘ロマンス606’です。
この品種は見元さんの‘シルエットロマンス’と落合さんの‘606ブルー’を交配したもので流通はしていません。
落合さんの‘ベビーマカロン’に似ていますが、こちらの方が一回り小輪です。
ロマンス606×グレイッシュビーコン
グレイッシュビーコンはトーホクさんの品種で、その名のとおり灰色がかったローズのビーコンです。グレイッシュビーコンの色目で2回りくらい小さくなりました。
主にはなりませんが、鮮明な色と組み合わせるとお互いに引き立てある色ですね。
育苗に失敗したのでこの一株しかありませんが、数があればどちらもビーコンですので上弁がぼかしの個体も出たのではないかと思います。
ロマンス606×テレジアンイエロー
テレジアンイエローは笈川さんの品種。ですので、この交配は名だたるブリーダーがコラボしたことになります。
テレジアンイエローはグリーニッシュの品種。ロマンス606はブルーを帯びたパープルのビーコンなのですが、グレーのローズビーコンフェイスみたいなものになっています。この色合いはきれいですね。
グリーニッシュ(ブルーブラウン)の色を使っているので、後代にはブルーやブラウンが分離するかもしれません。
ロマンス606×ハッピーティア・ブルーブロンズ
ハッピーティア・ブルーブロンズはその名のとおりの極々小輪のブルーブロンズ。
極々小輪のパープルビーコンになりました。極々小輪の色が広がりましたね。
総括するとビーコン(上弁ぼかし)は伝わりやすいということでしょうか。
つまり、「ビーコンがほしければビーコンを使え」ってすごく当たり前のことのようです。でも、なかなかこの当たり前に気付かないもの事実ですよね。あまり深く考えずにやってみることが大事なのかもしれません。
で、今度は同じ花粉親で種子親を変えてみるとこうなります。
パッションウェーブ×ハッピーティア・ブルーブロンズ
ブルーブロンズの色のフリルが出来るかと思いましたが、花色はブルーパープルになり、フリルはウェーブ~ラッフルの抱え咲きのような感じになりました。
フリルは優性に働きますが、フラットとの交配ではフリルは弱くなってフラットとの中間ぐらいになります。これがF2になるとさらにゆれの幅が広がります。
「フリルがほしければフリルを使え」。これもすごく当たり前のことですね。まずは当たり前のことを当たり前にやってみましょう。