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グリセバチアナとドエルフェルリー

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何と東京では桜の開花宣言!早いですね。

 

こちらはまだ山桜が散り始めたくらいです。

 

天候、気温にも恵まれてハウスでの作業も何とかペースを取り戻してきました。

作業の風景画像がちょっと必要になったので、娘に頼んで撮ってもらいました(笑)。

 

今は、種採りに追われてできなかった交配をただひたすら行っています。

 

種が熟すまでに30日程度、逆算すればすぐに初夏みたいになってしまう宮崎での交配は3月いっぱいが限度と言うことになります。

 

ともかくできる時にやっておかねば、これから他の植物の作業も加わってきますのでね。

 

さて、画像は原種を使っての交配です。

ビオラ・グリセバチアナ(V. grisebachiana)

 

Kim農園さんさんから分けていただいたもの。バルカン半島が原産で、放射状に株がよく広がります。ライトブルーの花はそれ自体で鑑賞価値があります。

ビオラ・ドエルフェルリー(V.doerfleri)

 

東アルプスとユーゴスラビア南部が原産。花や株の形状がグリセバチアナとよく似ていますが、葉や距などに産毛が目立つことで半別が出来ます。

 

こちらも観賞価値が高いです。

 

それが流通まで行かないのはそれなりの理由があって、まずは春咲き性、この時期にならないと花が咲きません。そして、発芽。原種は休眠が深い場合が多く、また高温では発芽しにくいということがあります。

 

まあ、これらは選抜でいくらかは改善できるとは思うのですが、なかなかその時間が取れないというのが現状です。で、たぶん時間もかなりかかる・・・(笑)。

 

そこでこの原種の雰囲気や特徴を取り入れるべく現在の品種との交配を行っています。

 

ただ日本で原種自体の研究はほとんどないですし、正直使ってみないとどのような特徴や貴重な遺伝子を持っているかは分かりません。

 

原種との交配は、私の育種の原点でもあります。

 

アルベンシスを使った交配では、極々小輪や細弁(バニー)が誕生しましたし、多花性、ふんわりの形状も導入することが出来ました。

 

これも使って始めて分かったこと。

 

グリセバチアナとドエルフェルリーもきっと秘めた遺伝子を持っているはずです。それを探るべく交配をただひたすら頑張っています!(笑)

 

ちなみに原種のことがもっと知りたければ、山野草マニアックスVol.32に詳しく書いています。ただし、この本はすでに廃刊。検索すると古本で出ている場合がありますので、こまめにチェックしてみてください。

 


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